座間9遺体事件の白石隆浩容疑者(27)は東京の新宿・歌舞伎町で風俗店のスカウトをしていたこともあったというが、街頭でのスカウトよりも、“ネットスカウト”を中心に行っていたようだ。

 そもそも白石容疑者は「歌舞伎町のスカウト」という話があるが、昨夏に茨城県神栖市の風俗店に女性を紹介したとして、職業安定法違反の疑いで茨城県警に逮捕されている。

 また、同容疑者と思われるツイッターによると、「鳥取県ソープから求人です。実稼ぎ10万超えるお店です」として、「60分11000円本指名+1000。個室使用料1日1000。寮費1泊3500」の条件で女性を募集していた。

 ネットスカウトや出会い系サイトのトラブルに詳しい詐欺研究家の野島茂朗氏は「風俗嬢系のLINEグループの書き込みを拾っていくと、容疑者はネットナンパのようにLINEやツイッターでスカウトしていたようです。精神的に病んでいる女性や、寂しがり屋の女性を釣って、地方の本番風俗に流していたようです」と指摘する。

 現在、各地の条例により、路上でのスカウトが禁止になっている。

「スカウトに対する取り締まりが厳しくなって、路上に立つのはリスクが高いから、ネットを駆使する流れがあります。行政がスカウトを表面的に浄化したら、地下に潜って、問題が爆発したのが今回の事件なのではないでしょうか」と野島氏は語る。

 実際、ツイッターで「自殺募集」という言葉で検索すると、「1人では怖いので、一緒に死んでくれる人を募集します」という女性の書き込みが多数あると、その女性に対し、驚くほど多くの男性がフォロワーとなり、群がっていることが分かる。白石容疑者はネットスカウトで女性を操る術を磨いていったのだろうか。

 心が弱っている女性を食い物にしようとしているのか、自殺願望の女性に対しては何をしても警察に通報されないという考えがあるのか。ネットがなければ絶対に出会わないはずの他者同士の出会いが悲劇を生んだのかもしれない。