復帰作は2時間ドラマの愛人役

2013年01月21日 07時42分

 映画会社では日活がもっとも早く動いてくれました。お話をうかがうと「『にっかつロマンポルノ』創立10周年記念として大作を製作する。ついては主演してみないか」とのこと。詩人・金子光晴さん(故人)をモデルにした文豪の破天荒な人生を描く内容で、主人公の愛人役で出てもらえないか、というのです。

 もちろん異存があるはずがありません。私が人知れず海外に行ってしまったのも、金子さんの「マレー蘭印紀行」を読んでその世界観に憧れていたからです。当時の所属事務所は「愛人役でロマンポルノだと今後のイメージが固定してしまうのでは」と心配していましたが、不安や不満はまったくありませんでした。

 とにかく、尊敬する詩人・金子さんの人生の一部を描いた映画に携われるだけでも幸せ。女優冥利に尽きる——。こう考えた私は、すぐに出演をOKしました。この映画が昭和56(81)年8月公開の「ラブレター」です。

 当時のポルノ映画としては破格の製作費をかけた大作で、興行収入もロマンポルノ作品としては史上最高を記録。私の演技も評価され、私は再出発の手応えを改めて感じていました。その直後でした。萩原健一さんから連絡が入ったのです。