復帰作は2時間ドラマの愛人役

2013年01月21日 07時42分

【高橋惠子 芸能生活42年回顧録「女優物語」(27)】

 

 昭和55(1980)年1月、私は正式に女優復帰会見を開きました。とはいえ、簡単に復帰できないことは十分に理解していたつもりです。昭和52年から2年間休業→昭和54年に復帰作の舞台初日直前でドタキャン→海外への失踪劇…。前代未聞の大事件を起こしたのですから。私を「起用してみよう」などという奇特な人がすぐに現れるとは考えていませんでした。

 普通なら平静にしてはいられないのかもしれません。ですが、15歳で女優デビューして以来、自分なりに10年間(途中で2年間休業してはいますが)頑張ってきたのですから、焦りはありません。「私を使ってみたい」と思ってくれる人が登場するまで、いつまででも待つつもりでいました。

 幸いなことに、予想に反してすぐに復帰作が決まります。このころは民放各局の2時間サスペンスドラマが人気になっていて、そのうちの一本に愛人役で出演することになったのです。いかにも…な役ではありましたが、あれだけの不始末をしでかしてしまったのです。どんな役でも全力で演じ、迷惑をかけたみなさんに少しでもお返しをしなくては…と強く思っていました。

 それまで私が演じてきたのは主演か、物語のカギを握る重要な役がほとんどでしたが、役の大小にこだわっていられる立場ではありません。どんな小さな役でも積極的に引き受けるつもりでいました。ところが、この復帰作がテレビ放送されて少したつと意外な反応が…。ほんのチョイ役なのに、見ていてくれた関係者からドラマや映画の新しい仕事を依頼されたのです。

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