デヴィ夫人(77)が事務所運営費の横領被害に遭って大騒動になっているが、俳優・川崎麻世(54)の妻でタレントのカイヤ(55)も、2000万円もの融資が返済されない金銭トラブルに巻き込まれていることが本紙の取材でわかった。カイヤが大金を貸し付けた相手は「今でしょ!」でおなじみの林修先生(52)が講師を務める大手予備校・東進の関連企業の男性社長。資金繰りが悪化した同社は、今年3月に民事再生法を申請し、今月認可されていたのだ。カイヤが被害に遭った金銭トラブルを追った。

 デヴィ夫人の金銭被害騒動は、連日ワイドショーをにぎわせている。事務所の元経理担当(60)が昨春に運営費60万円を横領したとして先週、逮捕された。事務所の使途不明金は総額2億7000万円にも上るとみられ、元経理担当の関与が疑われる。一方のカイヤも約2000万円の未返済トラブルに巻き込まれていた。

 カイヤが融資したのは、モアアンドモア社(以下、モア社)という予備校運営会社の男性社長K氏個人。同社は、東進衛星予備校のフランチャイズ(FC)加盟企業の一社で、神奈川を中心に東進衛星予備校を開校し運営していた。

 一般的には知られていないが、東進は大手コンビニのようにFC展開するビジネスモデルをとっている。言うならば、東進が“親会社”でモア社などが“子会社”だ。

「モア社など各フランチャイジーが予備校校舎を造り、フランチャイザーの東進が生徒募集をかける。フランチャイジーの中でもモア社は運営予備校校舎数で一、二を争い、東進のFC展開の中核を担っていた」(大手予備校関係者)

 モア社を率いたK氏は野村証券出身で資金調達のスキームにたけており、カイヤは信用してカネを突っ込み続けたと思われる。

 だが、モア社の経営財務の実情は「自転車操業」(同)。資金繰りが悪化して今年3月、民事再生法の適用を申請した。東京商工リサーチによると、負債総額は推定で13億円という。

 カイヤは、モア社のトップとの間でどんな金銭トラブルに遭ったのか。関係者の証言。

「カイヤはK氏個人に、数年にわたって貸し付けをしていたようで一部は返済されたそうだが、いまだに2000万円ほど戻ってこず、焦げ付いたままになっている。そのためK氏に内容証明郵便を送り付けたと聞く」

 カイヤは憤慨し、K氏に返済を迫ったようだ。これは鬼嫁でなくても当然だろう。

 カイヤの所属事務所は本紙の取材に「プライベートなことになりますので、コメントは控えさせていただきます」と、否定はしなかった。

 カイヤはK氏個人への貸し付けでトラブルに巻き込まれたが、法人としての同社は100人超の債権者を抱えたという。被害者は多数いたわけだ。

 本紙は大口融資した債権者に接触。匿名を条件に「数年前からモア社に貸し付けていた。そのうち一部は返済があったが、現時点で2億円超を貸し付けたまま。大変困っている」と告発し、こう指摘した。

「モア社が運営していた予備校校舎は、東進の関連会社に3億円ほどで売却され、その資金をもって債権者への返済にあてると聞いている。だが、各債権者は貸付額の2%弱しか戻ってこないようだ。つまり私は、2億円超の2%=400万円超しか返ってこない計算になる。モア社だけでなく、東進もフランチャイザーとして債権者に対して完済するまで払い続けるべきではないか」

 本紙は、東進に対し「モア社に代わって債権者に返済する考えはあるか」との質問状を送ったところ「法にのっとって対応させていただきます」とだけ回答。モア社K氏にも、代理人弁護士を通じて債権者ならびにカイヤに対する返済の意向を問う質問状を送ったが、締め切りまでに回答はなかった。

 債権者に対し債務免除を請うモア社の再生計画案が10月、認可されたという。これで債権者が全額を回収するのは絶望的。K氏個人に貸し付けたカイヤの2000万円も同じく返済は厳しくなった。“勉強代”にしてはあまりにも高く、痛い。