年内いっぱいでAKB48を卒業する渡辺麻友(23)がラストセンター曲となる、50枚目シングル「11月のアンクレット」(11月22日発売)のミュージックビデオ(MV)が30日、初解禁された。

 11年間“王道アイドル”の象徴としてグループを引っ張ってきた渡辺が、MVでは、あまり見せることのなかった本来の天真爛漫な姿を見せている。

 AKB48グループ作品は初となるアートディレクター・平野文子氏が監督を務め、撮影は9月中旬、台風接近ですぐれない天気の中、行われた。ラストは土砂降りの中をメンバーが全力疾走し、先頭の渡辺をHKT48・指原莉乃(24)らが追いかける。多くの苦難をメンバーとともに乗り越えながら、AKB48グループをけん引してきた渡辺の姿を象徴するシーンだ。

 渡辺は「実は、平野さんがこれまで手がけてこられた作品のどれもが大好きで、尊敬するアートディレクターさんでした。そんな平野さんにMVを撮っていただけることになり、卒業祝いをいただいたみたいで、とてもうれしかったです。この曲で私は卒業にはなりますが、しんみりというよりも意外に楽しく、雨すらも楽しんで撮影に臨めました」と振り返った。

 平野監督は「まゆゆの卒業曲になるので、まゆゆの持つ外側のかわいらしさはもちろん、内側が少しでも垣間見られるものにしようと思いました。このMVで新しい表情の彼女がちょっとでもファンのみんなに届いていたら幸せです」と説明した。

 渡辺の印象については「本当にシャイな子だということが分かりました。アーティストって、ちょっとシャイな方が面白いと思っています。シャイだからしゃべりすぎる人もいれば、逆に静かに笑っているタイプもいる。まゆゆは後者ですね」と分析。「撮らせていただいて思ったのは、アイドルを卒業していろんな殻を破って、これからどんどん本当の彼女が出てくるんだろうなということ。それがとても楽しみです」とメッセージを送った。

 また、カップリング曲で、渡辺の卒業ソング「サヨナラで終わるわけじゃない」のMV(高橋栄樹監督)も、併せて初解禁となった。

 渡辺は「AKB48としての私の最後のMV撮影となりました。まだ『最後』という実感がなく、不思議な気持ちです。リリースのたびにMV撮影に参加してきましたが、それがなくなって、ふと気づくときに『あーもうAKBじゃなくなったんだなぁ』と実感するのだろうと思います、寂しいです」と心境を明かした。