【アツいアジアから旬ネタ直送「亜細亜スポーツ」】画像・動画共有SNS「タンブラー」に先月投稿されたハメ撮り動画が、マレーシアで話題になっている。その中で顔をゆがませ、あえぐ女性とされたのは、現地で人気の女優アイカ・ファラーナ(22)。

「首都圏セランゴール出身で、6年前ドラマデビューすると、その美貌と演技力ですぐ評判に。特にこの2~3年で人気が出てきた。ドラマに年間4~5本出ていて、おととしからは映画にも進出。知的な顔立ちと強い目力がそそる」とは、首都クアラルンプール在住の駐在員。

 問題の動画はユーチューブに転載され、すぐ削除されるも、別のサイトやブログにまたアップされ、拡散。「おかしな映像が出回ってるから気を付けたほうがいい」と友人に言われ、その存在を初めて知ったアイカは、地元マスコミに対し「絶対に私ではありません。こんなビデオに出るほどバカじゃないです」と疑惑を強く否定。「確かに私に似てる人のようです。でも別人です。こんなものをアップした人間は許せない」と怒りをブチまけた。

 だが10月に入っても拡散は止まらず。アフィリエイト広告を稼ぐためのサイトが乱立しているのはマレーシアも日本と同様で、その格好の餌食となった。本人との比較画像をあしらったり、卑猥な文章を添えるなど、動画は面白おかしく加工され、出回り、関連動画の再生回数は100万回を突破している。

 地元のネットは「本人とはやや鼻の形が違う」「彼女はこんなことしない」という擁護派と、「自分の家族とイスラムの尊厳をおとしめた行為だ」と叩く派が入り乱れ、大炎上。本人のSNSには心ない中傷が殺到した。「映像が本物だという証拠を持ってるから覚悟しろ」など脅迫めいた書き込みもあった。

 これに対し、アイカは警察に訴え出て、取り調べについての報告書を自身のSNSでアップ。「私の誇りについての問題。冗談では済まされない。この動画を投稿した人間には責任を取ってもらう」と断言した。また、ネット上にいる匿名の中傷者にも「私に対する脅迫や暴言はすべて記録してあり、これも警察に提出しました。その後、削除した人もいますが、無駄です」と警告。

 この手の騒動に見舞われた芸能人はほとんどが泣き寝入りするところだろうが、アイカは毅然とした態度で「責任者は逮捕されて刑罰を受けるべき」とも言い切った。こうした対抗措置が高じ、現在では動画の拡散も終息しつつある。  

☆室橋裕和(むろはし・ひろかず)=1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め周辺国も飛び回る。3年前に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。