藤井四段「高校進学」決断の裏 今後も続く長距離移動対局

2017年10月26日 16時30分

藤井四段へのファン意見を報じた6月28日付の本紙

 かねて注目されていた将棋の中学生プロ・藤井聡太四段(15)の進路は、進学に定まった。日本将棋連盟が25日に発表。史上最年少で棋士となり、同じく最多の29連勝を遂げた藤井四段は、高校進学か将棋に専念か迷いを感じていたが、名古屋大教育学部付属中(名古屋市)から来春、同付属高へ進学する。中高一貫校のため、受験せずに入学できる。

 藤井四段の進路問題では29連勝達成時の6月、本紙の取材に将棋ファン50人全員が「中卒棋士でOK」と答えていた。雑誌の企画で囲碁の井山裕太7冠(28)と対談した際には、迷わず中卒で囲碁に専念した井山7冠に進路の迷いを打ち明けた。

 苦悩を経て決めた高校生棋士の道。過去、中学生でプロ入りした加藤一二三・九段、谷川浩司九段、羽生善治棋聖、渡辺明2冠は、いずれも高校へ進学した。谷川九段は著書「中学生棋士」で藤井四段について、「できれば高校へ進んでもらいたい」と助言したことを明かしている。人間として視野を広げる機会を、若いうちから意図的に持っておいた方がいいとの考えからだ。

 藤井四段は将棋連盟を通し、「全てのことをプラスにする気持ちで、これからも進んでいきたいです」とコメント。師匠の杉本昌隆七段(48)は「中高一貫校からの進学は自然な流れで、現時点ではベストの選択と思います」と話した。

 連勝記録が29でストップ後も白星を重ね、19日の時点で47勝6敗としている藤井四段。前出の谷川九段が同著書で「将棋のプロは、勝てば勝つほど対局が増える。勝ち続けると、対局のペースは週二~三回になる」と書いているように、今後もハードな日程が予想される。

 これまでを見ても5月は5日間、6月には7日間対局があった。1日複数をこなす日もあり、6月の対局数は10と2桁に上る。しかも将棋に専念なら東京か大阪に拠点を置きそうなところを、進学の場合は従来どおり愛知から東京、大阪へ移動して対局をこなすことになりそうだ。高校生棋士となる藤井四段に、学業と両立継続の忙しい日々が待っている。