ボクシングで視聴率20%超えもフジテレビ局内“お通夜状態”のワケ

2017年10月25日 16時30分

高視聴率をゲットしたエンダム(左)VS村田戦

 前日のテレビ番組の視聴率が判明した23日午前9時、フジテレビ局内に久々の大歓声がこだまするかと思いきや、お通夜のように静まり返ってしまったという。

 22日の衆院選の各局開票速報の真裏で放送されたWBA世界ミドル級タイトルマッチの「アッサン・エンダム×村田諒太2」(午後8時14分~同9時30分、フジテレビ系)が平均視聴率20・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出した。

 投票締め切りの午後8時に合わせ、NHKや民放キー局が選挙特番を編成する中、フジテレビは批判覚悟でボクシング中継に挑んだ。民放の選挙特番は全局10%に届かなかった。しかし、フジはボクシングで悲願の高視聴率をゲットしたのだ。ところが、フジ局員のリアクションは予想以上に冷めたものだったという。

 フジ関係者は「高視聴率を取っても実に複雑な気持ちです。各局が国の未来を占う総選挙特別報道番組を組む中でボクシングは20・5%。この視聴率は皮肉にも、今年のフジテレビの最高視聴率になったんです。ある意味、禁じ手ですからね。自慢できるものではないでしょう」と語る。

 選挙特番一色の時にスポーツコンテンツを流せば、高視聴率は約束されたようなものだろう。

「いくらその日に試合があるからといっても選挙をL字扱い(テレビ画面の左側及び下側のL字形のスペースに文字情報を流すこと)にしたのは、キー局としていかがなものかという指摘が局内からも上がりました。録画、あるいはボクシングこそL字やワイプで中継をするべきだったのではないか、との声も局内若手から出ているんです」(同)

 事実、日本テレビは人気番組「世界の果てまでイッテQ!」や「行列のできる法律相談所」、TBSはドラマ「陸王」という高視聴率番組を休止し、選挙特番を編成した。

 業界関係者は「これがキー局のプライドなんです。視聴率よりも国民の知る権利に応えるという思いがあるからです。だって、本音を言えば、選挙ならみんなNHKを見ればいいわけです。でも民放はそんなこと、口が裂けても言えない。それがキー局のプライドであり存在価値でもあるんですがね」と話している。