【超大物セクハラ事件】有名女優のレイプ告発に映画界騒然

2017年10月15日 11時00分

過去の悪行が次々と暴露されたワインスタイン氏(ロイター)

 セクハラどころじゃなかった――。数々の米アカデミー賞受賞作や大ヒット映画を手がけたハリウッドの超大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏(65)の30年以上にわたるセクハラ疑惑を米有力紙ニューヨーク・タイムズが暴き、世界中の映画界に激震が走っている。米人気女優グウィネス・パルトロウ(45)やアンジェリーナ・ジョリー(42)らも同氏から性的いやがらせを受けたと証言するなか、ついに「レイプされた」と告発する女優まで名乗り出た。

「恋におちたシェイクスピア」や「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「英国王のスピーチ」など、米アカデミー賞受賞作品を手がけたハリウッドでも有数の辣腕プロデューサー、ワインスタイン氏が渦中の人物だ。

 ニューヨーク・タイムズ紙は5日に第一報で、米女優アシュレイ・ジャッド(49)や同ローズ・マッゴーワン(44)ら複数の女性がワインスタイン氏のセクハラ行為を告発したと伝えた。

 アシュレイの告白によると、約20年前、ワインスタイン氏からビバリーヒルズのホテルに「ミーティングをしたい」と同氏の部屋に呼び出され、行ってみると、ワインスタイン氏はバスローブ姿で現れ、アシュレイにマッサージを求めたという。それを断ると、今度は自分がシャワーを浴びている姿を見るよう強要。「パニックになって、罠にはめられたと思った」と恐怖を振り返った。

 ローズは1996年、ワインスタイン氏製作のホラー映画「スクリーム」に出演。翌年、サンダンス映画祭に同氏と一緒に参加した際、アシュレイと同様のセクハラを受けたと告白した。

 同紙によると、ワインスタイン氏の会社で働いていた多くの女性もセクハラ被害を告発。「自分と肉体関係を持てばキャリアアップになる」と性行為を求めたという。

 セクハラ疑惑報道が過熱する中、米誌「ニューヨーカー」は、ワインスタイン氏のスキャンダルについて過去10か月にわたり、性的被害を受けたと訴えた13人のハリウッド女優らから聞き取り調査を行い、その結果を同誌最新号で「押しの一手から性的暴行へ~ワインスタイン氏の告発者が語る彼女らの証言」と題する記事を掲載した。

 同誌によると、セクハラだけでなく、レイプの疑惑も浮上している。「ワインスタイン氏にレイプされた」と証言したのはイタリア人女優で監督のアーシア・アルジェント(42)で同氏の会社の元女性社員だ。

 アーシアが性的暴行を受けたとされるのは97年、21歳の時。ワインスタイン氏が宿泊していたフランス南部のリゾート地リビエラのホテルに連れ込まれ、抵抗したがフェラチオを強要されたという。これまで沈黙してきた理由についてアーシアは「彼は映画界の超大物。もし被害を訴えたら私は業界から消されることが分かっていたから」と長年胸にしまってきた思いを吐露した。

 ワインスタイン氏は、自ら設立した会社「ワインスタイン・カンパニー」を解雇された。同社は「この数日間に明らかになったワインスタイン氏の不適切な行動について、取締役は同氏を即時解雇することを決定し、本人にその旨を伝えた」と声明を発表した。

 人気女優のグウィネスやアンジーからもセクハラ被害を訴える声が出て、世界中を驚かせた。

 グウィネスは、90年代半ば22歳のときにワインスタイン氏が性的アプローチをしたと告白。同氏は自身プロデュースの映画「エマ」の主役にグウィネスを抜てき。「ミーティング」の名目でビバリーヒルズのホテルのスイートルームに呼び出し、2人きりの部屋でグウィネスの手を握り、ベッドに行くよう促したという。憤りを感じたグウィネスはそのまま部屋を出て行ったという。

 アンジーは98年、同氏が製作した映画「マイ・ハート、マイ・ラブ」に出演。同作品のPRツアーのため、宿泊していたホテルの部屋で同氏に迫られたが、関係を持つことを断固拒否したと米芸能サイト・TMZが伝えている。

 世界中が注目しているワインスタイン氏は、とうとう有名ファッションデザイナーで妻のジョージナ・チャップマンから離婚を言い渡され、近く「持病の治療をする」目的で渡欧するという。国外逃亡したからといって、世紀の大スキャンダルが収まるとは思えないが…。