大島監督の「優しさ」と「厳しさ」

2013年01月18日 11時00分

 前述の「御法度」の撮影中、たけしは自らの監督作品「菊次郎の夏」を「カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に出品していた。現地の公式上映で5分間のスタンディングオベーションを受け、一時は「パルム・ドール(最高作品賞)の本命」と言われたが、結局受賞はならなかった。

 この報を伝え聞いた大島監督は、報道陣から感想を聞かれ「ハハハハ」と笑ってみせた。大島監督は78年に「愛の亡霊」で同映画賞の最優秀監督賞を受賞しているが、この笑いのウラには、“たけちゃん、カンヌはそう簡単じゃないよ”との思いがあったのだろうか。

 たけしは「御法度」について「オレはリハビリ映画だってずっと言ってるけど、次、その次にどんな作品を作るのか楽しみ。大島監督は本当にすてきな人」と話していたが、そんな願いは届かず同映画が遺作となってしまった。

 一方、この年の東スポ映画大賞では主演AV女優賞に夢野まりあが選ばれ“お約束”のオッパイぽろりを壇上でやってのけた。このときテーブルにいた大島監督がブルブルッと震え出して、席を立ったため、スタッフは怒ったときの口癖「バカヤロー!」が出るのか?と一瞬緊張したが、トイレに立っただけだったとわかり、ひと安心。