衆議院解散に伴う総選挙が22日投開票という日程に決まったことで、フジテレビは16日スタート予定だった月9ドラマ「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」を本紙既報通り、1週遅れの23日スタートに変更すると先日発表した。そのため16日には、3時間近い枠を急きょ埋める必要が出てきたから大変だ。さしあたっては「映画で埋めるしかない」と言われ、小栗旬主演の映画「信長協奏曲」の放送が濃厚だというが…。

 10月クールに放送される同ドラマは、主役を務める女優・篠原涼子(44)が市議会議員に立候補するというストーリー。ドラマのスタートを1週遅らせることについてフジは「第1話に選挙のシーンがあり、当初予定しておりました10月16日が衆議院選挙公示期間中にあたることから、総合的に判断し、変更することにいたしました」と説明している。

 ただフジの関係者からは「この説明はどう考えても不自然。結局は東スポさんが書いてたように、『日枝さんへの“忖度”』だと局内では言われています」という声が噴出している。

 フジにおける絶対的な権力者である日枝久・元フジテレビ会長が、安倍晋三首相の盟友なのは有名な話。しかも今回の選挙は「安倍首相VS小池百合子東京都知事」という構図になっている。

「そんな選挙の真っただ中に、女性が政界進出するようなドラマを放送したら“小池びいき”と取られかねない。日枝氏の機嫌を損ねないために月9スタートをズラしたということ」(同)

 いずれにしても“月9の1週延期”という前代未聞の事態に、現場は大混乱。さしあたってはまず、16日に何を放送するのかが大問題だという。

「単に月9の放送時間を埋めればいい、ってわけじゃない。月9の初回はいつも、時間を拡大して放送するでしょ? それに伴い月9のスタート日は、放送後も特別の編成にすることになっている。その番組ごと、すべてが23日に回ることになるので、16日は、11時40分スタートのニュース番組『THE NEWS α』までの時間がガラ空きなんですよ」(別のフジ関係者)

 つまり16日は、午後9時から11時40分まで3時間近い枠を埋めなければならないというのだ。この長時間を埋める番組をこれから収録するのは、どう考えても不可能だ。

「仕方がないので、映画で穴埋めするしかない、と判断したようだ。篠原が主演する映画『アンフェア』という声もあったが、3部作あってどれを放送すべきか分からないし、3つとも上映時間が2時間未満。3時間近い枠を埋められないから、昨年公開された小栗旬主演の『信長協奏曲』になりそう。もともと月9を映画化したもので、上映時間が2時間以上あり、何とか枠を埋められそうだから」(同)

 日枝元会長への“忖度”のせいで、フジの現場はまだまだ大混乱が続いている。