コント日本一を決める「キングオブコント2017」が1日、東京・港区のTBSで行われ、結成13年目のお笑いコンビ「かまいたち」(山内健司=36、濱家隆一=33)が逆転優勝で「10代目キング」に輝いた。大阪に拠点を置く同コンビは、関西でレギュラー番組8本を抱える“売れっ子コンビ”だが、この優勝を機に「東京進出」を狙っている――。

 かまいたちの2人がエントリー総数2477組の頂点に立った。

 10組のファイナリストで争われた決勝戦は、1本目のコントで点数が高かった5組が2本目を披露。1本目は芸歴14年目と3年目による結成5か月のコンビ「にゃんこスター」のトリッキーネタの爆発力に後れを取り、2点差をつけられて2位で折り返したが、2本目は同じようなテイストネタの「にゃんこ――」に対して、かまいたちは1本目を上回る爆笑ネタで、最終的には14点差(942対928)をつけた。関西では“エース格”と評される同コンビがネタの厚みで栄冠を勝ち取った。

 終了後の優勝者会見でツッコミ役の濱家は「ずっとコントやってきたんで、一番と言われる大会で優勝できてよかったです」と安堵の表情。ボケ役の山内は「去年も出場して3位だったが、1位を取らないといけないと思っていた」と胸の内を明かした。

 この優勝を機に2人が考えているのは本格的な東京進出。山内は「出たい番組は『なんでも鑑定団』です。お年寄りが持ってきたツボが偽物だったとき、(ショックの)表情がたまらない」と笑いを交えて本音をのぞかせた。

 ただ、お笑い事務所関係者は「東京の壁は関西芸人が考えている以上に高い。東京進出となれば、関西のレギュラー番組も最終的には降板しなくてはいけない。関西での安定した生活を捨てて、もう一度、勝負しなくてはいけない。簡単ではないんですよ」という。

 それでも、2人には“良いお手本コンビ”がいる。かつて本紙インタビューで「目標でありライバル」としていたお笑いコンビ「千鳥」(大悟=37、ノブ=37)だ。千鳥も漫才日本一を決める「M―1」で何度も決勝進出した実力派で、今でこそ東京での仕事を増やし、売れっ子として活躍しているが、関西での仕事を捨てて東京進出した当初、実力派の2人でも、しばらくは仕事がない日が続いた。

「かまいたちの2人は千鳥の背中を見ているし、吉本所属で東京で活動する先輩も多い。東京で活躍するノウハウはすでにある。実力は定評があるので、チャンスを生かせる」(前出関係者)

 会見で山内は「どれだけお仕事のオファーをいただけるか」と野心をのぞかせたが、2人は新天地として目指す東京でも“かまいたち旋風”を起こせるか。