本紙客員編集長を務める北野武監督(70=ビートたけし)の最新作「アウトレイジ 最終章」(10月7日公開)のジャパンプレミアが25日夕、都内で行われ、16人中13人の“コワモテ”キャストが勢揃いしたが、そのウラでマトモじゃない無謀プランがあった!? 北野監督は、同作の完成披露イベントをホンモノのヤクザ抗争まっただ中の神戸でやろうとして、警察に止められたという“秘話”を明かした。

 裏社会の男たちの抗争を描いたバイオレンス・エンターテインメント映画「アウトレイジ」シリーズは、2010年公開の「アウトレイジ」、12年公開の「アウトレイジ ビヨンド」2作で興行収入22億円超という人気シリーズ。5年ぶりの今作は前評判が高く、マスコミ向け試写も連日盛況だったというのは本紙ニュースサイト「東スポ芸能」で既報した通りだ。

 この日のジャパンプレミアは、警視庁本部も近い官公庁エリアの大ホールで行われたが、舞台あいさつの大トリで北野監督は、こんな“秘話”をポロッと明かした。

「我々、この後、神戸に行こうと思ったんですけど、警察から止められましてですね。この格好で神戸歩くと、とんでもない抗争に発展するっていう、間違えられるっていうアレなので…」

 神戸では今月12日、指定暴力団神戸山口組から離脱した新組織「任侠山口組」の代表の警護役だった男性(44)が射殺されたばかり。兵庫県警は、同組直系「山健組」傘下組織組員の菱川龍己容疑者(41)を殺人容疑で指名手配中だ。そんな地で映画の完成披露イベントは危険すぎるというわけだ。

 山口組分裂に絡む抗争事件はまだ当分続きそうだが、フィクションのヤクザ抗争である「アウトレイジ」シリーズは今作で最終章を迎える。その理由を北野監督はこう説明した。

「別に長続きさせればできたんですけど、深作(欣二監督)さんの『仁義なき(戦い)』シリーズになってしまうんで、一度死んだ人がまた出てくるわけにはいかないということで…」

 同作は、イタリアで9日まで開催された「第74回ベネチア国際映画祭」のクロージング作品として今月9日に上映された。ヨーロッパへ行くと北野監督は「バイオレンス以外は最近、興味がないのか?」とよく聞かれるとか。これも「最終章」とした理由の一つのようだ。

「いや、興味はもちろんあるんで『次は純愛映画を』と言って小説を書いたら、これが当たってしまいましてですね(22日に発売した恋愛小説『アナログ』のこと)。今いいとこイッてる。コレをやって(映画化して)失敗して、もう1回チャレンジして失敗したら、またバイオレンスの映画に戻ろうと画策しておりまして」

 最後に北野監督は「まぁ、これが一応区切りとなってますけども、また何年かたったら、日本の役者オールスターズでとんでもない映画を撮ってみせようと思ってます」と約束した。