たけし“純愛小説”執筆の事情を告白「生殖器が減退。ちょうどいい感じになった」

2017年09月23日 01時42分

ビートたけし

 ビートたけし(70=本紙客員編集長)が22日、NHK「ニュースウオッチ9」(午後9時)に出演し、この日発売した自身初の恋愛小説「アナログ」(新潮社)執筆のエピソードを明かした。

 同番組のメーンキャスターを務める桑子真帆アナウンサー(30)がインタビューを行った。たけしは「たけしは男女の映画を撮らないね。“見てみたい”って言うから、具体的に何も動いていなかったんだけど。漫才師の後輩の又吉(直樹=ピース)が芥川賞取ったって聞いて、はらわた煮えくり返って、ちきしょうと思って(書いた)」と執筆のいきさつを語った。

 書いたのは携帯電話やメールを一切使わないアナログな恋。しかも、お互いの名前以外は連絡先さえ知らない関係だ。桑子アナは「純粋でプラトニック。どうしてそこまでこだわったのか」とぶつけた。たけしは「自分自身、ここ2年くらい非常にプラトニックで、それは体の衰えなんですけど。生殖器の減退といって、全然正反対になっちゃったんですよ」。正直な告白に桑子アナは苦笑いだった。

「そういう(性的な)描写が全然思い浮かばないし、嫌いになっちゃったんですよ。だからこういう小説を書くには、ちょうどいい感じになった」

 今の時代では、当たり前になった携帯電話とメールだが、弊害もあるという。

「もし会えなかったら、何かあったのかと想像ずればいい。悪い想像をして、自分のことが嫌いになって、来るのをやめようと思ったのかとか。人間は想像することによって、脳が活性するんだから。来ないことをきっかけに、もう一回その人のことを考えるということもある。メールで『仕事が入る 遅れる 行かないかも』ってのよりは、だいぶいいんだろうって」

 桑子アナが「よほど、その人のことを思っていることになる」と同調すると、たけしは「今だったら、そういう恋愛というか恋をしたいなとは思いますね」と恋愛観の変化にも言及した。

 物語には主人公の母親への思いも書き込まれている。モデルとなったのは1999年に亡くなった母・さきさんだ。「教育が大事だ」と苦労しながらも3人の息子を大学まで送り出した。だが、たけしは大学を中退し芸人の道へ進んだ。

「俺は親に何してやったんだろう。漫才師になって、ある程度お金を稼ぐようになったのに、旅行も連れて行ってやんない、何も買っていってやんない。俺は相当母親に感謝してないわって。みんな、子供のために食べさせて…うちのおふくろとリンクしているから、(小説に)入れた」

 母への思いを描いた背景には人間関係が希薄になった今の社会の問題があるという。
  
「母親の介護とか、じゃんじゃん問題になっているけど、情がなくなっている。友情、友情と言ってるわりには、何かあるときに見捨てて、友達を捨てて自分だけ行っちゃったりすることとか。男女の関係も家の経済状態とか、相手の社会的地位なんかで、今までいい仲だったのがドッと崩れる。そういうものが今は多い。それに対して逃げない態度というのは今の時代にあまりない」
  
 漫才師として30代でテレビ界を引っ張る存在になり、40代からスタートした映画では「世界のキタノ」と称賛されるまでになった。70歳を迎えて新たな挑戦を目指している。桑子アナから今は人生の何合目?と聞かれると「今は逆向きの5合目」と答えた。「もう上がっちゃったんだよ。今、下り坂に入ってるんだけど、振り返ってまた上がろうとしてる。俺は面白いんだ、俺はまだ生きてても面白い。1回、富士山に上がって、5合目まで降りてきて、振り返ったら、やり残したことがあるんで、また上がりだしたっていう、そういうずうずうしいことを考えている」と説明。やり残したことについては「もうちょっと完成度の高いもので、バンドとか音楽をちゃんとやってないし、いつもお笑いに逃げるから、あまり逃げないようにしたい」と語った。