落語家の桂きん枝(66)が4日、大阪市内で「四代桂小文枝」襲名発表会見に登場した。

「小文枝」は、きん枝の師匠である故五代目桂文枝の前名。きん枝は「師匠は『もう一つ上(=文枝)があるが気に入ってる。俺は小文枝のまま終わると思っている』と言うほど、小文枝という名前に愛着をお持ちだった」と明かした。

 そんな師匠が愛した名前を受け継ぐ話は3年ほど前から出ていたというが、当初は「荷が重い」と断っていたという。それでも、「大事な名前で、いいんかいなと悩みましたが、先輩から『きん枝君なりの小文枝を作っていけばいい』と言っていただき、踏ん切りがつきました。70歳近いので何年、小文枝でやれるか分かりませんが一歩一歩師匠に近づくように頑張りたい」と意気込んだ。

 きん枝は1969年に五代目文枝に入門。本名の立入勉三と”立入禁止”をもじって、師匠からきん枝と名付けられた。面倒見がよく、誰からも愛されるキャラを持つ一方で、83年には不祥事で一時、師匠から破門されるなど、ヤンチャな一面も持つ。

 そんなきん枝のキャラを、同門落語家もいじり倒した。

 同席した兄弟子の六代目桂文枝(74)は、きん枝が師匠の遺族の面倒をよく見ていることを褒めた上で「(師匠の)奥様から『私の目の黒いうちに小文枝という名前を復活させたい。きん枝を小文枝に』と言われるんですが、私は賞を取って箔をつけてから襲名すればいいと。そうなると、『賞を取れなアカンのか』ということになりまして…師匠のお孫さんの面倒も見ておりますし、これは功労賞やなと思っております」といじった。

 同じく同席した弟弟子の桂文珍(68)は「頼りないから反対やったけど、こんな優しい人はいない。師匠が気にかけていたし、伸びしろもたくさんある。小文枝襲名でひと皮むけると思う」と持ち上げたかと思いきや「ひと皮むけるといえば、彼は真性包茎で…」と脱線。きん枝は「頼むわ。確かにそやけど、下半身の話はやめてー」とたじたじだった。

 襲名は2019年春。きん枝は、師匠の命日である3月12日に興行を行いたい意向を示した。