舞台あいさつトラブルで映画上映中止…配給会社「観客の安全を担保できない」

2017年09月01日 00時41分

松江哲明監督

 舞台あいさつで前代未聞の“チン事”が発生し、映画が公開中止になった件で31日、配給会社が「10周年記念上映中止」の経緯を報告した。

 8月25日、“事件”は「童貞。をプロデュース」(2007年公開)なる超マニアック映画の10周年を記念した舞台あいさつで起きた。同映画は、2人の青年が童貞を卒業するまでの姿を追ったドキュメンタリー。毎年夏に繰り返し単館上映されていた。

 青年役の一人が加賀賢三氏だ。同作ではキャストとして出演したが、現在は映像ディレクターが本業という。メガホンを取ったのは「東京都北区赤羽」や「山田孝之のカンヌ映画祭」(ともにテレ東系)の松江監督だ。

 舞台あいさつの途中、加賀氏は突然ブルーのハーフパンツを脱ぎ、両手で松江監督の頭をつかんで自身の股間に押しつけようとして罵声を浴びせ、もみ合いになった。加賀氏は同映画について“撮影時に強要があった”などと追及。さらに上映も「劇場公開はやめてくれと言った」と主張した。

 関係者は「加賀氏は撮影当時の過程や、同映画が毎年夏に繰り返し上映されることに激しい不満を持っていたようだ」と説明した。この様子を観客の一人がケータイなどで撮影してネット上に動画を投稿したことから大騒動に発展した。

 配給会社によれば、加賀氏の暴行によって松江監督は全治1週間を要するケガを負ったという。また「加賀氏のこれらの行為は、傷害罪、公然わいせつ罪、威力業務妨害等に該当する行為です」としている。

 この事態を受け、松江監督、配給会社および劇場は、平穏に本作品の上映を継続するため加賀氏に対し協議を申し入れたが、加賀氏は応じなかったという。「現に加賀氏が劇場において傷害等の犯罪行為に及んでいることからすると、加賀氏と和解できないまま本作品の上映を継続すれば観客の安全を担保できないおそれがあります。そこで、劇場と配給会社が協議した結果、残念ながら翌日以降に予定されていた本作品の上映は中止することとしました」と中止決定の経緯を明かした。

 撮影中に松江監督が強要したとされる件については「本作品の趣旨について松江監督から説明を受けた上で、出演に同意しました」「強要を受けたと主張するシーンについても、加賀氏は一貫して撮影に協力的でした。松江監督は何ら強要行為などしていません。このことについては、撮影現場にいた複数の人物の証言もあります」としている。