夏の風物詩となっている大型チャリティー番組「24時間テレビ 愛は地球を救う」(日本テレビ系)が、26、27日に放送され、歴代で初めて本番当日まで発表を控えたチャリティーマラソンランナーにお笑い芸人のブルゾンちえみ(27)が指名され、90キロを無事完走した。当日発表は「苦肉の策だった」(関係者)というが、結果的に発表を引っ張った演出がハマって注目度がアップ。その舞台裏では何があったのか――。

 例年、5~6月には発表されていた「24時間テレビ」のチャリティーマラソンランナーだったが、今年は当日まで引っ張りに引っ張った。表向きの理由は、ランナーの伴走やケアを務めてきた坂本雄次トレーナー(69)が「最後かもしれないから、今までにないことがしたい」と提案し、当日発表になった――と放送でも説明された。

 しかし、日本テレビ関係者は本当の理由について「ご察しの通り、候補者に断られ続けたからです」と明かした。本紙でも再三、ランナーについて報じてきたが、日テレサイドは、KAT―TUNの亀梨和也(31)が大本命だったという。

「亀梨は出演するスポーツ番組『Going! Sports&News』で、現役プロ野球選手の協力を得ながら『ホームランプロジェクト』や『豪速球プロジェクト』などの企画に挑戦してきた。その新企画として、日テレは東京五輪出場が有望なマラソンランナーに亀梨を指導してもらい、チャリティーマラソンを走らせる計画だったんです」

 日テレが見据えていたのはそれだけではない。2015年に新設された世界大会の女子代表選考レース「さいたま国際マラソン」を独占中継するなど、近年マラソン中継により力を入れている。「亀梨とマラソン界のホープをコラボさせることで日本陸上界と関係を強化し、高視聴率が見込める20年東京五輪のマラソン中継権を獲得する布石にしたい思惑があったのです」(同)という。

 しかし“ランナー亀梨”のプランは所属するジャニーズ事務所が難色を示して暗礁に…。それでも日テレは粘り強く交渉を続けたが平行線で、結果、ランナー発表がずるずると延びてしまった。

 その間、本紙既報通り、アンジャッシュの渡部建(44)、りゅうちぇる(21)、NEWSの手越祐也(29)など、数々の名前が挙がり、ランナー予想が過熱した。そのため、7月30日放送の「行列のできる法律相談所」で、8月26日のスタート当日にランナーを決定すると発表し、マスコミに対しては「本気で詮索するのはやめてください」と呼びかける異例のお願いまでした。

 一方で、ランナーは「当日、日本武道館にいて、一番走る理由がある人」というヒントが与えられ、予想がさらに過熱。26日の本番直前には「負けず嫌いな人」「幸せなことがあった人」「一番走りたい人」の3つのヒントが追加され、マンネリが叫ばれる「24時間テレビ」を事前に盛り上げることに成功した。

 あおりにあおって注目を引きつけた本番では、高校時代は長距離走の選手で同番組のスペシャルサポーターを務めるブルゾンをランナーに指名。前出の関係者によれば「本番4日前には指名が決まっていた」という。

 ブルゾンは放送開始から約2時間後にマラソンをスタート。沿道の声援を受けながら走り続け、残り100メートル付近で番組定番ソングの「サライ」が流れるなか、坂本トレーナーが合流し、ブルゾンの目に涙があふれた。最後は日本武道館のゴールを間違えるハプニングはあったが、無事90キロを走り切って感動のゴールを迎えた。

 ゴール後「一番苦しかったことは?」と聞かれたブルゾンは「最後ゴールを間違えたことです」と答え、笑わせるほどの余裕だった。

 前出の関係者は「ランナーの当日発表は苦肉の策だったが、思いのほか、演出としてハマった。ブルゾンがまったくの素人ではなく、長距離走の元選手だったのも幸運だったと思う」。

 一部では引っ張りに引っ張った演出に批判の声も上がったが、結果として注目を集めただけに、今年の「24時間テレビ」は日テレとしては「してやったり」だったようだ。