壇蜜「観光PR動画」配信停止した“大人の事情”

2017年08月23日 11時00分

動画で持ち味を発揮した壇蜜だったが…

 なぜこうなった!? 宮城県は21日、かねて「エロすぎる!」と物議を醸していたタレント・壇蜜(36)が出演する県の観光PR動画の配信を近く停止する方針を明らかにした。26日の関連イベント終了後、配信を終える予定。動画の再生回数は300万回を超え、話題作りに大きく貢献した一方、「宮城、イッちゃう?」というセリフのほか「上、乗ってもいいですか?」と言ってなでた亀の頭が大きくなる演出などに批判が殺到。当初は村井嘉浩県知事(57)も配信の継続を訴えていたが、ここにきての配信停止。そのウラに見え隠れする“大人の事情”とは――。

「壇蜜さんにしてみれば、完全なもらい事故。大人の事情にふりまわされたんだと思う」

 そう断言するのは芸能プロ幹部だ。7月上旬にユーチューブで公開された動画の中身はこうだ。

 仙台藩主・伊達家の家臣の子孫「お蜜」に扮した壇蜜が、県の観光PRキャラクター「むすび丸」と登場。「宮城、イッちゃう?」の言葉とともに、壇蜜の唇のアップが映ると、むすび丸が鼻から出血。その後も「肉汁トロットロの牛のし・た(舌)」の「た」で再び唇のアップがあったり「あっ…という間にイケちゃう…涼・宮城」というフレーズが飛び出す。

 極め付きは「上、乗ってもいいですか?」となでられた亀の頭が大きくなるシーン。亀の頭=亀頭でしかなく、ネット上では「これは直球すぎる」「風俗情報かよ」と波紋を広げた。

 とはいえ、この“エロすぎる動画”の破壊力はすさまじく、ユーチューブの再生回数は300万回を突破。県担当者いわく「これまでの動画は数百回程度ですので、とんでもない数字です」。仙台市内の旅行会社に問い合わせたところ「昨年の同時期と比べて売り上げは伸びている」という。

 つまり、観光動画の最大目標である県のアピールには十分すぎる成果を残したことになる。

 にもかかわらず、動画は当初の予定から1か月ほど早めた今月26日のイベント後に配信中止となる。理由について前出の担当者は「PR活動に一定の役割を果たすことができた」と答えたが、これはあくまで表向き。実際は県民や市民団体から480件以上の抗議があったためだ。

 21日に定例会見を行った村井県知事は「正直に申し上げると、そちらに対する配慮もした」と述べた上で「決して誤解を与えるようなことを考えて作ったわけではない。その時々の事情に合わせてタイミングを合わせて、ウケだけを狙ってもよくない」とコメント。

 だが、ほんのひと月弱前の定例会見で同知事は「(動画は)非常にかわいらしい。自分は鈍感なのでそんなにエロチックなところがあるとは思わなかった。自分も出たかった」「これまでの観光PR動画より(アクセスが)30~40倍にもなっているのは『災い転じて福となす』だ」として配信継続の意向を示していたばかりだ。

「なんせ一番ノリノリだったのが、村井知事でしたからね。鼻の下を伸ばして『最高ですね』と壇蜜さんを絶賛していましたよ。あのオヤジ、“むっつり”ですから」とは事情を知る関係者。

 それが一転して中止にかじを切ったのは、10月22日に控える宮城県知事選を意識してのことに他ならない。村井知事は4選を目指すという。政界関係者の話。

「これ以上、女性の反感を買いたくなかったのだろう。次の県知事選は単なる地方選挙ではなく、天下分け目の戦いになる。その時にモノをいうのが女性票ですからね」

 先月半ばには、当時仙台市長だった奥山恵美子氏が男女共同参画の観点から「配慮不足」を指摘し、一部仙台市議からは配信中止を求める要請書も市に提出されていた。

 一方でヤフーが行ったアンケートでは「配信を中止する必要はない」が79・4%で、「配信を中止すべき」の20・6%を大きく上回っている。

 壇蜜の担当マネジャーは本紙取材に「先方様の事情なので、私どもから言えることはありません」とコメント。今回の仕事は壇蜜の父親の先祖が仙台藩出身という縁で実現したものという。

 26日に仙台市内で行われるイベントには壇蜜が登壇する。そこでどんな言葉が飛び出すか――。

【過去の炎上CM】自治体のPR動画の表現を巡っては昨秋、鹿児島県志布志市がふるさと納税を呼び掛ける動画を削除した件が記憶に新しい。同市特産の養殖ウナギを想起させるような黒い水着姿の少女が「養って」と訴えかける場面などから「児童ポルノのようだ」といった批判を浴び、市側は女性差別の意図を否定したものの削除に追い込まれた。企業CMでは7月、サントリーがネット公開した商品PR動画で「コックゥ~ん!しちゃった…(ハート)」といった表現が問題視され、早々に公開中止となっている。同社に限らず、性的イメージを催させる、女性蔑視だと抗議を受けるなどしてCM等がメディアから消えた例は少なくない。2013年には、女優鈴木砂羽が出演したテレビCMで、キノコ柄の服を着た男性が鈴木扮する買い物客にキノコの良しあしを尋ねる場面が“男性器の品定め”を連想させるため波紋を呼び、ネットに拡散して認知度は高まったが放送中止となっている。