女優・橋本環奈(18)に「日本アカデミー賞新人俳優賞」の“重圧”がのしかかっている。今年3月31日に解散したアイドルグループ「Rev. from DVL」の元メンバーで“1000年に1人の美少女”として大ブレークした橋本だが、昨年3月公開の初主演映画「セーラー服と機関銃―卒業―」が大コケ。にもかかわらず、なぜか新人俳優賞を受賞した。この“エコヒイキ”が「逆に橋本を苦しめてしまっている」という――。

 橋本のようにアイドルグループ卒業から女優に転身するケースは最近、増加している。こうした女優では、元「AKB48」の大島優子(28)や前田敦子(26)が有名だ。

「大島も前田も女優転身直後は『元AKB』の看板が大きすぎて、演技について批判を浴びることも多かった。でも地道な活動が徐々に評価され、最近は女優としての価値を上げつつある」(映画関係者)

 橋本はアイドルとして大ブレークしている時に、リメーク作品である「セーラー服と機関銃」の主演に抜てきされた。

「薬師丸ひろ子主演で1981年12月に公開された同作は、角川映画にとって記念碑的作品。そのリメークということで製作サイドは相当気合が入っていた。主役に橋本が抜てきされたのも、大ヒットを期待されてのもの。作品の持つセンセーショナルさを橋本で表現したいという狙いがあった」(同)

 ところが、結果は散々なもの。「興行収入は1億円に届いていないとも言われ、『1000年に1度の大コケ』などと言われた。結果が出た後に製作委員会の関係者が集まって行われた会議はお通夜そのものだったと聞きます。すべてのセクションのスタッフが口を開けば『申し訳ありませんでした』と謝罪。“戦犯”扱いされるのが嫌なので、どのセクションの責任者もなかなか失敗を認めたがらないものだが、この時ばかりはみんなが責任を認めた」(同)

 にもかかわらず、今年3月開催の日本アカデミー賞授賞式では、橋本が同作で「新人俳優賞」をゲットしてしまった。ある映画プロデューサーは「よく『大映画会社の持ち回り』と批判される日本アカデミー賞の悪い部分が出た。橋本が新人俳優賞を受賞するようでは、ほかの作品で頑張っている新人が報われない」と指摘する。

 しかもこの受賞が、橋本にとっても“足かせ”になってしまっているという。俳優・渡部篤郎(49)が主演する連続ドラマ「警視庁いきもの係」(フジテレビ系、日曜午後9時)に橋本も出演しているのだが、視聴率は低空飛行。最近は“早期打ち切り”との噂が浮上するほどだ。

 多くの俳優が所属する芸能プロ関係者は「いまや女優は“看板”で売れる時代じゃないんですよ。いい作品にめぐり合って人気に火が付くのが新人のブレークするパターン。そういう意味で橋本は、あんなに大コケした『セーラー服と機関銃』で日本アカデミー賞のレッテル(称号)は重すぎた」と同情の声を上げる。

 このままでは、せっかくの逸材も“大人の事情”で潰れかねない。

 別の映画関係者は「福田雄一監督の『銀魂』(7月公開)では、橋本の芝居も注目されている。可能性は十分にある子だよ」と言うが…。“1000年に1人の美少女”は逆境をはね返せるか?