いまだにその人気は健在だ。女優・のん(24)が6日、東京・葛西臨海公園で開催されたロックフェス「WORLD HAPPINESS 2017」にゲストアーティストとして登場した。のんはミュージシャン・コトリンゴやYMOなどで活躍した高橋幸宏(65)らと共演し、歌手としての初ステージを飾り観衆を沸かせたが、その強心臓ぶりと歌声には音楽関係者も驚くばかりだ。

“創作あーちすと”として、音楽活動を本格的に始めると3日に公表したのん。その上で、新レーベル「KAIWA(RE)CORD」(カイワ・レコード)を発足させたことも併せて発表した。

 6日、そのレーベルのお披露目として2度のステージに登場。自身が声優を務めたアニメ映画「この世界の片隅に」のオープニング曲「悲しくてやりきれない」をコトリンゴと、「サディスティック・ミカ・バンド」の名曲「タイムマシンにおねがい」を高橋とコラボし、歌手として初ステージを飾った。

 フェス終了後、のんは「猛練習したんですけど、ところどころ間違えてしまった」とギターの演奏ミスを告白しつつ、「すごい方々に囲まれてビビりまくってたんですけど、いざ始まってみると楽しかったです」と無邪気に笑い、9000人の観衆の前でも動じない強心臓ぶりを披露した。

 その歌声が大観衆にも認められたのか、のんが1度目のステージに登場した直後に、500セット限定で販売された「レーベルお披露目パック」(試聴用QRコード、写真カード3枚、のんがDJをする架空ラジオ番組収録カセット、ギターピック、名刺1枚)が完売。シリアルナンバー付きで即座に売り切れたとあって、ステージの最中ながらも、「早くもネット上ではザワついています。今後、高額な転売も出てくるかもしれない」(フェス関係者)というほど話題になったという。

 のんは音楽活動について「カイワ・レコードというレーベルは、音楽で会話もできるというメッセージを込めました。単独ライブ? まだ秘密なんです。だけど、こういうの立ち上げたらやっていくってわかっちゃいますよね?」と、将来的な単独ライブ開催を予告。楽曲については「自分で作曲して書きためているものはたくさんあります」と明かし、本格的なCDデビューにも支障はないという。

 のんのステージを見た音楽関係者は「歌はまだ粗削り」と前置きした上で、「それでも初ステージとは思えない堂々っぷり。声質がポップな曲によく合っていた。オリジナルレーベルを立ち上げたみたいだけど、今後、一緒にやりたいという大手レーベルも現れるのでは」と、歌手としての才能を高く評価する。

 昨年、前所属事務所との騒動の末に独立を果たしたのん。芸能界では独立時にトラブルを起こすと冷遇され、そのまま消えていくタレントも少なくないが、独立直後には既存のメディア以外にも、ネットなどを中心に、幅広いジャンルに活動の場を広げている。

「才能のある人が生き残るのが芸能界。実際に冷遇されても実力でファンの評価を勝ち取り、生き残っているアーティストもいる。のんが声優を務めた『この世界の片隅に』も、最初はほとんど報じられなかったが、見た人の口コミで徐々に人気が広がり大ヒットした。いまでも『あまちゃん』人気は強いし、支えるファンも少なくないですから、音楽でも『この世界――』のようなヒット作を作ることも不可能ではないでしょう」(前出音楽関係者)

 逆境をバネに新たな境地を切り開くのん。歌手としてもコアな人気を博すことになるかもしれない。