約6年ぶりに復活するテレビ時代劇「水戸黄門」(BS—TBS、10月4日スタート)の黄門様に起用された俳優・武田鉄矢(68)が2日、京都市の東映京都撮影所で取材会を開いた。

 助さん(佐々木助三郎)役の財木琢磨(24)、格さん(渥美格之進)役の荒井敦史(24)、風車の弥七役の津田寛治(51)とともに登場した武田は「ご縁があって6代目に着任いたしました。歴代の黄門が磨き上げたキャラクター、ストーリーですので責任を果たさねばと思いつつ、黄門という役柄を任じております」と独特の表現であいさつした。

 これまで「3年B組金八先生」(TBS系)、「101回目のプロポーズ」(フジテレビ系)などで見せた独特の演技が話題になり、大ヒットを飛ばしてきた。自身も「激情」的な演技が得意と話したが、今回の黄門を演じるにあたっては「今回は逆なんです。黄門様の味わいをどうしたら楽しんでもらえるかなと考えた時に、ひと山越えた人が味になると思うんです。私も山を越えて、いいコクで黄門ができないかな」とイメチェンを示唆。「強く激しいものではなくて、もう少し穏やかなものが自分に試されてるのではないか。ビールでいうキレは、あとの3人に任せたい」と笑った。

 印籠を見せつけ悪を正す水戸黄門だが、現代社会で印籠を見せつけたい人について聞かれると「番組以外のことには答えたくないな」と苦笑しつつも「いるよね。誰とは言わないけど女性のスキャンダル多いよね。娘2人と女房がお父さんを殺したとか胸が痛い。私もワケの分からないサプリをすすめられて、飲むたびに力がなくなる気がする」と話し、笑いを誘った。

 続けて「女性が生きにくい時代なのかもしれない。三砂ちづるさんの『オニババ化する女たち』って本があって、女性は鬼化するんです。でも、水戸黄門の中には女性の理想化があって、けなげなんです。そんな女性が花咲きやすい空間が時代劇にはあるけど現代にはなくて、女性自身が悪代官みたいにほえたり、越後屋みたいに一服盛ったりっていう時代になったのかも。女性をオニババから救うために『黄門様』っていうのは今必要なキャラクターなんだと思う」との見解を示した。