【本紙客員編集長・ビートたけしの世相斬り】オレが撮った映画「アウトレイジ 最終章」が10月に公開されるんだ。アウトレイジ3部作の最終章だけど、パート1とパート2を見たヤツは絶対見ると思うから、興行収入もそれなりに期待してるけどね。アウトレイジは話題性が十分なんで、「カネ出すよ」って言ってくる人もいたんだけど、新しい人は断って今まで通りの出資者にしたんだ。テレビ局もテレビ東京にしてね。急に変えるわけにいかないから。

 これまでインタビューを10本くらいやったけど、監督は取材受けると、インタビュアーが映画を気に入ってるか気に入ってないかすぐ分かるんだ。今回は、気に入ってないという感じの人がいなかったね。

 やっぱり西田敏行さんとか塩見三省さんの芝居はすごいよ。普段はあんなに体調悪いのに、やっぱり役者は「スタート」って声がかかると、シャキッとして急に変わるんだ。「はいカット」って言うとヘナヘナってなるんだけど(笑い)。

 最初の衣装合わせで「大丈夫ですか?」って聞いたら、つらそうに「大丈夫です。やります」って言ってたのに、カメラが回ったら全然違う。やっぱり役者ってのはすごいと思ったよ。

 あと鈴木紗理奈が映画「キセキの葉書」で、マドリード国際映画祭の最優秀外国映画主演女優賞受賞? 聞いたことない映画祭だな。こんなので記事になるんだったら、オイラなんか、イタリアやなんかでいろんな賞をもらってるぜ。でも全然、記事になってない。

 やっぱり映画祭は、カンヌ、ベネチア、ベルリンの3つだろ? でも最近はカンヌもベルリンもハリウッド映画に押されて、ヨーロッパ映画って感じがなくなっちゃってるような気がする。ハリウッド映画も中国資本がかなり入ってて、オレが出た「ゴースト・イン・ザ・シェル」にも中国資本が5つぐらい入ってて、中国では7000スクリーンぐらいで公開されたっていうからね。