黒柳徹子(83)、さだまさし(65)、ピーコ(72)、永麻理(55)が8日、都内で永六輔さん(享年83)の一周忌イベント「夢であいましょう~永六輔さんのうわさ話」を行った。

 昨年7月7日に永さんが死去して早1年。今回は、戦後日本の芸能界に計り知れない影響を与えた永さんを、歌とトークでしのぶ追悼イベントだ。

 さだは「最初に永さんを見たのは小学3年のとき。NHKのバラエティー番組『夢であいましょう』だったんです。このとき、初めて歌謡曲というものに出会いましたね。僕の歌の基準は永さんなんです」と懐かしそうに振り返った。

 まだ歌手として駆けだしのころ、関係者の紹介で感動の対面。ところが「僕のことを落語家になりたい青年と勘違いしていたんですよ。永さんが(柳家)小三治さんや(古今亭)志ん朝さんを紹介しようとするので、話がかみ合いませんでしたね」と笑った。

 いまだに、さだの楽曲に旅についての歌がないのは、永さんの「遠くへ行きたい」があるからだという。そこで、さだが同曲をしっとりと歌い上げると、会場のファンも聞き入った。

 1960年代から親交があったのは黒柳。長年の付き合いだが、食事をともにしたのは数えるほどだった。

「鹿児島で芝居が終わって永さんが『めし食う?』と珍しく誘ってきたことがあったんですよ。『ネギめし』というもので、よっぽどおいしいんだろうと思ったら、ゴハンの上にネギを乗せてラーメンのスープを入れただけ。『もっとおいしいもの食べたなかったなあ』と言ったら『こんなおいしいものはないじゃないか!』と怒られちゃって。でも、自分は食べないんですよ(笑い)」と秘話を明かした。

 最後は、出演者と会場のファンが一緒に「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」など永さんの名曲の数々を合唱し、出演者らが涙する場面もあった。

 終了後の囲み取材では、永さんの孫で、このほど永さん語録を集めた著書「大遺言」を出版した永拓実さん(20)も登場するなど盛りだくさん。さだは「永さんはどんなカテゴリーにもくくれない人。永六輔というジャンルなんです」と偉大すぎる故人をしのんだ。