車内に大麻を所持したとして現行犯逮捕されていた人気ジャニーズグループ「KAT―TUN」元メンバー・田中聖(31)が、30日に不起訴処分となったが、これで終結とはなりそうもない。田中は6月7日に処分保留で釈放されていたが、その裏では“ヤク友”の名前を供述したとの仰天情報が浮上。その中には田中がプライベートでツルんでいた元ジャニーズタレントXもいるという。かねて田中を内偵していた警視庁もXの動向に重大な関心を寄せている。

 東京地検は田中を不起訴とした理由を明らかにしていないが、嫌疑不十分とみられ「犯罪を認めるための十分な証拠がなかった」などとした。

 これで刑事事件としては裁判はナシで終了となった形だが、今後、余波が広がる可能性がある。

「聖、警察の取り調べでは結構ダンマリだったらしいけど、検察官とかには“葉っぱ(大麻)友達”の名前を全部うたった(自白した)んだって。一緒にやってた元ジャニーズのXのことまで話しちゃってるみたい。車にあったバッズ(大麻の花穂で上質な部分)は『一緒に音楽活動やってるやつのだ』ってゲロったってよ」と声を潜めるのは、田中のプライベートを知る音楽スタッフだ。

 6月7日に東京地検(検察)が田中を処分保留で釈放したのは、言い換えれば「聖は仲間を売ってシャバに出てきたようなもの」と同スタッフ。名前を出された方にすれば、たまったものじゃない。

「バッズの持ち主にされた音楽仲間は飛んじゃってる(逃げてる)し、みんな『聖だけパクられりゃよかったのに』ってブーブー言ってるよ。一番ビビってるのはXじゃね? 聖もXも前から警察にマークされてて、両方とも前にガサ打たれてる(家宅捜索されている)し」(前同)

 警視庁関係者によると「実は、薬物事件を扱う組対5課が、もともと田中を内偵していて、芸能人や俳優仲間と一緒にいるときに、もっと大がかりに逮捕したかった」という。実際、田中には逮捕前夜の5月23日も組対5課の行確(行動確認)がつき、怪しい現場が確認されていたとも。

 田中はその夜、東京南部で男友達数人と合流し、彼らの車に付いていく形で、お台場までドライブしている。
「田中たちが海沿いで、明らかにたばこではない何かを吸ってるのも確認済み」という。お台場でひとしきり楽しんだ田中らはまた東京南部へ…。

「一行が行き着いたのは、友達の一人の関係先とみられ、田中がそこを後にしたのは夜中。ケータイの通信履歴などから、田中がその夜一緒にいたのは、彼より年上のミュージシャンだったことが分かった」という。

 その一行と合流する前の田中の行動は前出スタッフが知っていた。

「別の友達数人と葉っぱやってて、お台場に向かう車にはソイツらも乗せてたみたい。聖はその時点でブリってる(大麻でキメてブッ飛んでる)状態だったってよ。ヤツの周りにさ、某格闘家とかとても仲いい不良ヤクザがいて、ソイツが聖のプッシャー(ドラッグ売人)なの。どうやら警察は、その現場にXもいたんじゃないかってニラんでるみたいだね」

 組対5課がこれだけ積み上げていた捜査は翌日、5月24日夜の田中逮捕で水泡に帰した。クラブやラブホが密集する東京・渋谷区道玄坂で、パトカーとすれ違いざま、田中はワンボックスカーのスピードを不自然に上げたため、職質(職務質問)をかけて逮捕につなげたのは、警視庁地域指導課のベテラン捜査員。当時は所轄署の警ら隊員の実地訓練中だった。

 車内から大麻を見つけ、現行犯逮捕したまではよかったが、田中はかたくなに「自分のもの(大麻)ではない」と主張。車も田中名義ではなかったため、大麻取締法違反(所持)容疑での立件は難しくなった。尿検査で大麻使用の陽性反応は出たが、同法は使用での罰則がない。所持の新証拠でも出ない限り、不起訴になるとみられていた。

「そりゃ、黒いマスクしてワンボックスを1人で運転し、ラブホ街をグルグルしてたら、職質で止められても仕方ないが、組対5課としたら身内に捜査妨害されたも同然」と同関係者。

 前出スタッフは「聖にもう次はない。この先また同じようなことで捕まったら、執行猶予なしで一発で実刑だろうから」と指摘。

 今回の逮捕が“いいクスリ”になり、田中は怪しい交友関係を絶つ覚悟で洗いざらい自白したとも取れる。