日本では8月に公開予定の「ベイビー・ドライバー」で初主役に抜てきされ、犯罪組織の敏腕ドライバーを演じた米若手俳優アンセル・エルゴート(23)が、今度は注目作「メイデー109」(原題)で若き日のジョン・F・ケネディ米大統領役を射止めた。

 新鋭俳優として大ブレークを予感させるアンセル。新作で演じるのは太平洋戦争下の1943年、米海軍の哨戒魚雷艇「PT109」の艦長だったケネディという大役だ。

 同艇は日本海軍艦隊の輸送業務を阻止するため南太平洋ソロモン諸島沖に出撃中、日本の駆逐艦と衝突して大破。ケネディは11人の生存者とともに無人島(のちにケネディ島と命名)に泳ぎ着き、生き延びるという実話を基にしたストーリーだ。

 米芸能誌「バラエティー」によると、同作品の製作が決まったのは2年前だが、まだ監督は決定していない。

 実はケネディ大統領が在職中の1963年、ワーナー・ブラザースが同じ題材を映画化した「PT109」(邦題=魚雷艇109)を公開。同作品では、のちに「まごころを君に」(68年)で米アカデミー賞主演男優賞を受賞する米俳優クリフ・ロバートソン(2011年没)がケネディ役を演じた。

 今回主役に決まったアンセルは13年に3度目のリメークとなったホラー映画「キャリー」でハリウッドデビュー。翌年の恋愛映画「きっと、星のせいじゃない。」で主人公を演じた米女優シャイリーン・ウッドリー(25)の相手役を務め、一躍脚光を浴びた。

 ニューヨーク市生まれのアンセルの父親は米ファッション誌「ヴォーグ」の写真家。母親はオペラの舞台演出や振り付け、プロデューサーを務める。兄は映像編集者で、妹は注目の写真家という、まさにアーティスト一家に育った。アンセルは演劇に興味を持ち、高校時代はオフ・ブロードウェーの舞台で活躍した。

 今どきのイケメン男子で、身長193センチというバツグンのスタイル。8月公開の「ベイビー・ドライバー」で、日本でも女性ファンが急増することは間違いなさそうだ。