“あなそれブーム”に火がつくか!? 主演の波瑠(26)が不倫に走り、夫役の東出昌大(29)の“怪演”でも話題だったドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系)に続編やスピンオフ制作計画が持ち上がっているという。20日の最終回視聴率は14.8%で民放ドラマ2位。本紙既報通り、不倫妻を演じた波瑠にはイメージ悪化につながりかねないほどドラマの影響が出ているが、TBSはヤル気満々だ。

 4月クールで最も話題を集めたと言っても過言ではなく、ドラマはタイトルを略し“あなそれ”と話題になった。

 ストーリーは、波瑠演じる主婦の渡辺美都が、偶然再会した同級生の有島光軌(鈴木伸之=24)と不倫にハマっていく。美都の夫の渡辺涼太は、東出の“怪演”もあって“平成の冬彦さん”と話題になった。

「冬彦さん」とは1992年に放送されたドラマ「ずっとあなたが好きだった」(TBS系)で佐野史郎(62)が演じ、マザコン&嫉妬夫として広く知られた役柄だ。

「あなそれ」は終盤になって視聴率がグングン上昇。最終回前の第9話(13日)こそ、キラーコンテンツのサッカーW杯アジア最終予選の日本代表VSイラク代表と真っ向からぶつかってしまったため10・1%(第8話は13・5%)と下げてしまったが、最終回で14・8%と大幅にアップして有終の美を飾った。

 TBS関係者は「大成功といえる数字です。TBS火曜午後10時の枠のドラマに関しては、テレビの番宣だけではなく、積極的にネットを巻き込んだ宣伝に力を入れている。昨年の『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』もそうだし、今回の“あなそれ”もそれがうまくハマった。ネットで話題になって、それが視聴率に反映した」と話す。

 本紙既報通り、不倫する美都をそれまで清純派路線だった波瑠が演じたこともあり、ネット上だけではなく、TBSにも批判が殺到。波瑠のタレントイメージにも影響を及ぼしかねない事態ともなったが、ある意味で炎上も宣伝戦略の一つだったのだ。

 さらに、不倫されて狂気を宿す役の東出の“怪演”もヒットの要因だった。撮影現場でも冷え切った“夫婦”の姿がキャッチされていた。

「波瑠と東出の結婚式のシーンです。美都にとって涼太は2番目に好きな人であり、本当に好きな人ではない。それを醸し出すためなのでしょう。誓いのキスの直前まで、波瑠は平然とドーナツを食べていました。キスシーンの前には歯磨きしたりするのが普通なのですが、波瑠はまさに『あなたのことはそれほど』と言わんばかりの気の使わなさで撮影に臨み、スタッフを驚かせました。涼太のことはそれほど好きではないという役作りですよ」(ドラマ関係者)

 一方の東出も“平成の冬彦さん”になり切るためなのだろう。現場では波瑠とほとんど笑顔でコミュニケーションを取ることもなく、1人で役に入っていることも多かったという。「1人で一心不乱にスマホを触っていることが多く、胸の内に狂気をため込んでいた模様。2人のこうした役作りが好演に結び付き、視聴者への訴求力となった」と前出関係者。

 早くも続編の話が持ち上がっているという。

「後半になって数字が上がったということは、まだまだ潜在力があるということ。さっそく局内では続編制作の話が出ている。また波瑠・東出夫婦、鈴木・仲里依紗夫婦の4人以外にも個性的な脇役が目立った。涼太の同僚を演じる山崎育三郎や、美都の友達を演じる大政絢を主人公にスピンオフを制作するプランもすでに上がっている。続編よりもこちらが先になるかも」と別のTBS関係者。

 実現すれば“あなそれブーム”になるかも。

 (視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)