青森が生んだ“演歌界のエンターテイナー”吉幾三(64)の愛娘・KU(39)が18日、都内でメジャーデビュー発表会見を行い、父の前でその名曲「雪国」を英語バージョンで披露した。

 吉の長女として生まれたKUは歌手になる夢を抱いてピアノを勉強するも、「反対されるのを恐れて20年近く歌手志望を言えずにいた」という。それが勇気を振り絞って思いを明かしたところ、吉は反対するどころか音楽関係者にデモCDを持ち込んでデビューにこぎつけた。

 すがすがしいまでの“七光”だが、「父のような歌い手になりたい」と話すKUの実力は本物だ。音楽関係者も「父親譲りの歌唱力」と、そのボーカル力には太鼓判を押す。

 この日、KUはデビューアルバム「Which KU do you like?」(8月23日発売)に収録される「YUKIGUNI」を生披露。吉が作詞作曲した名曲「雪国」の歌詞を英語にしてポップス風にアレンジしたカバー曲だが、愛娘の歌声を聞いた吉は「冗談じゃないよ。こっちの方がいいじゃないか!?」と絶賛した。

 KUは「こんな名曲があったんだということを若い世代の人に知ってほしい」と話したが、思惑通りヒットすれば年末の「NHK紅白歌合戦」出場の可能性が見えてくる。吉自身も1986年に「雪国」で紅白初出場を果たしているだけに、親子2代で、しかも“同一曲”で初出場となれば恐らく史上初の快挙だが、吉は「冗談じゃないよ。私が出ないのに娘が出るなんて…」と、まさかの猛反対だ。

 とはいえ、これは吉の照れ隠し。「これは年末に歌われる歌」としっかり紅白を意識している。前出の音楽関係者も「近年の紅白は企画枠が多いだけに、話題になれば名曲『雪国』を親子で2バージョン歌ってもおかしくない」。吉は2001年以来、紅白出場が途絶えているが、愛娘のKUが実力で紅白出場を勝ち取れば、大みそかの親子共演が実現するかもしれない。