昨年7月の東京都知事選にも挑戦した政治団体「NHKから国民を守る党」代表の立花孝志氏(49)が12日、都庁で会見を開き、都議選(23日告示、7月2日投開票)に葛飾区選挙区(定数4)から出馬することを表明した。

 立花氏は2005年にNHKを退職。13年に同党を設立し、NHKに関する問題、不祥事を厳しく追及している。昨夏の都知事選ではNHKの政見放送で「NHKをぶっ壊す!」と豪語し、世間を仰天させた。

 立花氏は都知事選同様、都議選でもNHK問題の是正を公約に掲げる。将来的には党として国政に進出して放送法の改正を目指すとし「NHKを見たい方だけが受信料を払うようにする法律の改正をやっていきたい」と訴えた。

 それにしてもNHKの問題を追及する男がなぜ都議選なのか。さらに言えば、出身は葛飾区ではなく大阪だ。

 立花氏は今年1月の大阪・茨木市議選に落選しており、まずは議員に“復職”しなければならない。同党は政治資金に恵まれていない小さな団体で、だからこそしたたかに戦略を練って“勝てる選挙区”を探ってきた。

 来月の都議選への立候補はあくまで知名度アップが目的だそうで「当選する確率は1%」と自覚している。“本丸”はその先にある今年11月の葛飾区議選への出馬だという。ここで勝利し、葛飾区議として議員への返り咲きを狙う。

「全国の選挙の状況をリサーチしている」と言い、「“区議選のための売名で都議選に出る”というのが、これまでの葛飾区の独特な点」と分析しているそうだ。

 特に今回は、小池百合子都知事(64)のおかげで「マスコミが都議選を取り上げている」(立花氏)ため、注目度が高い。名前を売る“ステップアップ”にうってつけではある。

 賛否両論あるだろうが、立花氏はすべて承知の上という。