フランス・ニースで先月に行われた「ニース国際映画祭」で、日本のある映画が外国語短編映画の最優秀作品賞を受賞した。そのタイトルは「堂堂めぐり」(野澤クニオ監督)。主演女優の鈴木かなえ(29)を直撃すると、まさかの「芸能界最強女王宣言」が飛び出した。驚きのその内容とは――。

「堂堂めぐり」は、母の遺品に導かれて埼玉・秩父を訪れる女性の物語。5月20日に現地ニースで行われた授賞式にも出席した鈴木は「国際映画祭に出展されるだけでも驚いたのに、海外の方に賞までいただいて本当にビックリしました。演技を通して様々な人生を経験できるのが楽しいです」と、高い演技力を評価されたことに喜びの声を上げた。

 すでに今秋公開予定の山本淳一監督のホラー作品への出演が決定。さらには「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で博士のドクを演じたクリストファー・ロイド(78)の出演でおなじみの米映画「ピラニア」シリーズ5作目に出演することも決まった。このハリウッド作品は来年公開予定だ。

 ここにきて一気に“赤丸急上昇感”が出だした印象もあるが、まだ「最大の爪」は隠しているという。

「実は私、芸能界の女性の中では一番テコンドーが強い自信があります」

 不敵な笑みを浮かべると、すさまじいスピードで左足を蹴り上げる。ピンヒールなどお構いなし。顔より上の高さまでキックを炸裂させた。アクションを身につけるため、2年半前からテコンドーを習い始め、今では指導者も「ここまで習得する人間はほとんどいない」と驚くほどのレベルまで到達。根底には“逆コンプレックス”があったという。

「以前、周りから『幸せボケしてる』と言われたことがありました。私の場合、母が昔、歌を歌いたかったということもあり、上京してお芝居の勉強をするのも手放しで喜んで送り出してもらったんです。でも、こっちに来たら親に勘当されながらお芝居をやっている人がいる。家族にも周囲にも恵まれて生きてきた私には、ギラギラ感がないと思われてしまうのは、ある意味仕方ないのかもしれません。だからこそ、そんな中で自分の武器を身につけたくてテコンドーをやり続けました」

 縦型のキックを繰り出す「足のボクシング」とも呼ばれるテコンドーは東京五輪でも行われる。わずか数センチ前の人間の顔面を蹴ることが可能で、狭い空間でも攻撃できるため他の格闘技に比べ、迫力あるアクションシーンを演じられる。

 ダブルフェースキックや360度跳び後ろ回し蹴りなど難易度の高い技もモノにしたこともあり、鈴木はようやくアクションシーンへの応用を決意。先の「ピラニア」では“ピラニア殺しの最凶キック”をお見舞いするという。芸能界最強からハリウッド最強へ。道は自らの蹴りで切り開く鈴木に世界中が驚きそうだ。 

☆すずき・かなえ=1987年11月21日生まれ。宮城県出身。T155・B80・W58・H85。宮城県内の短大を卒業後、上京。映画「浄霊探偵」(2015年)ほか、各種CMやPVに出演。今年、主演映画「堂堂めぐり」がニース国際映画祭外国語短編映画最優秀作品賞を受賞。特技は英語。テコンドーを応用した殺陣や時代劇アクションもこなす。