元フィギュアスケート世界女王の安藤美姫(29)が5日、都内で行われた映画「世界にひとつの金メダル」(17日公開)PRイベントに出席した際、引退後の心境の変化を告白した。

 安藤は「9歳でスケートを始めて、18歳で五輪に出場させてもらった。あのころは国旗を背負う責任感を理解できず、マスコミの方との距離感もつかめずに、100%競技に集中できなかった」と振り返り、その後も何度となくマスコミとの“あつれき”を口にした。

 続けて「私はいつもトゲトゲしていてると報道される。友達から『ヒールと言われてるよ』と指摘されるが、自分では自覚がない。この作品にはマスコミとアスリートの葛藤も描かれている」と自意識過剰気味に報道陣をけん制した。

 現役時はピリピリして報道陣と対立したが、引退して若干丸くなった。「今日は電車で出てきた。これまで国内で旅行することはなかったが、最近では知ってもらえているというのは幸せだと思えるようになってきた。氷を離れたら皆さんと変わらない。コンビニもファストフードにも行くし、こっちの方が楽しくライフしている」と一般人としての生活を満喫していることを明かした。

 イベントでは「もう1回見たいが、字幕を追うのが大変だった」「自虐って何ですか」など、スケートひと筋で育ってきた“天然ぶり”を露呈する一方「スケートをやめたいと思ったことはあまりない。人は死ぬまで成長できる」と主張し、コーチとしての飛躍を誓った。