“杉さま”こと歌手の杉良太郎(72)らが2日、東京・千代田区の科学技術館で開催中の「全国刑務所作業製品展示即売会(第59回全国矯正展)」(法務省主催、同所で3日まで)に駆けつけ、テープカットを行った。

 長年の受刑者慰問活動が認められ、法務省特別矯正監に任命されている杉は「あまり知られていないことだが、刑務所の職員は自分のことをさておき、まず受刑者のことを考える習性を持っている。廃虚みたいな宿舎で辛抱して生活している方も多数いらっしゃる」と、黒川弘務事務次官を前に職員の待遇改善を訴えた。

 続けて「立ち直って更生する受刑者は、残念ながらわずか。どうしても途中で心が折れてしまう。再犯を防止するのは大変なこと」と指摘。「加害者はまじめにやろうと思えば社会で立ち直れる。だが、被害者は国からの温かい援助を受けず、仕事も結婚もできずに亡くなる方もいる。私は被害者に寄り添って生きたい」と犯罪被害者支援活動に一層、力を入れる決意を明かした。

 また、受刑者慰問などの福祉活動に熱心な石田純一(63=矯正支援監)について「石田さんはそんなイメージではなく、もう少し浮いた感じかもしれないが、この方は厚労省の肝炎サポーターもされている。皆さん、石田さんを見直す機会です」とコメント。

 さらに「コロッケちゃん(57=矯正支援監)はふざけた人かなというイメージがあるが、これまた輪をかけて社会貢献に励んでいる。警視庁でオレオレ詐欺撲滅の先頭に立っていて、110番の顔になった。ほかにも熊本の地震だ何だとやっている。もう私の時代ではなく、コロッケの時代」と震災復興支援などの福祉活動に熱心なコロッケを“後継者”に指名した。

 イベントには女性グループ「MAX」(矯正支援監)のほか、3日に栃木・黒羽刑務所で404回目のPrisonコンサートを開く女性デュオ「Paix2」(矯正支援監)、落語家の桂才賀(66=矯正支援監)も出席。会場には安倍晋三首相も訪れた。