人気ロックバンド「LUNA SEA」が結成25周年を記念して世界初の「水素燃料電池コンサート」(29日、東京・日本武道館)を開催することが決まり24日、ギタリスト・SUGIZO(47)が都内で記者会見を行った。

 かねて水素エネルギーに関心があったというSUGIZOは今年2月、イベントで同席した自民党衆院議員で、水素社会実現を促進する研究会の事務局長を務める福田峰之氏(53)と意気投合。これをきっかけに今回のコンサートが実現した。コンサートではギターと水素燃料電池自動車をケーブルでつなぎ、自然エネルギーだけで音を奏でる。

 動力源となる自動車は、トヨタの「MIRAI」とホンダの「クラリティ FUEL CELL」が候補に選ばれた。4月にはギターに2つの自動車をつなげて音の違いをテスト。SUGIZOは「クラリティは音の立ち上がりが速かった。ジャズやメロウな音楽にはMIRAIが向いているかもしれない。今回はスピードの速い音がふさわしい」と、ライブでの大役をクラリティに託した。

 発電所から供給されるコンセントの電気と、自然エネ由来の電気では音の質が違うという。SUGIZOは「長い時間と流通を経てスーパーに届いたお刺し身と、船で釣ってその場で食べるお刺し身の違い」と説明。さらに「太陽光や水素エネの電気の音は質が高い。興味のないアーティストも音を聞いたら『これはいい』と思うはず」と自信満々に話した。

 ホンダ関係者も「発電の違いが走りの差に出るとはよく言われるが、音の差もあったのか」と驚いた様子。1台のクラリティで70時間のギター演奏が可能だそうで、いずれはメンバー全員が水素エネルギーで演奏することも計画中だという。今後、主流となるかもしれない“水素ライブ”に注目だ。