新曲「空」を発売したフォークシンガーの松山千春(61)が10日、東京・有楽町の東京国際フォーラム・ホールAで全国ツアー「原風景」の東京公演を行った。昨年、デビュー40周年を迎え、今回のツアーは41年目の最初のもの。全国21都市で全24回の公演を繰り広げている。

「ムーン・ライト」で幕を開けたステージは「My自転車」「ピエロ」と続いた。その後「今日は気分がいい」と言う千春は、急きょ弾き語りに構成を変え「こんな夜は」や「恋」などを歌い上げた。

 歌だけでなく、相変わらず毒舌も全開。この日のターゲットは、東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったからよかった。首都圏に近かったりすると莫大な額になった」と問題発言し、復興大臣辞任に追い込まれた今村雅弘衆院議員(70)だった。

 千春はまず「先週は“あっちの方”のコンサートに行ってきました」と軽いジャブをかますと、続けて「被災地の方々は元気でした。結局、あなたは大臣をやるような人ではなかった!」と、今村氏の政治家としての資質を猛烈に批判した。

 この日のコンサートは途中に休憩を入れての2部構成。後半のステージでは新曲「空」や「幸せ」、さらには未発表曲の「原風景」を歌うなど、現在進行形の千春をアピールした。

 またアンコールでは「長い夜」や「大空と大地の中で」など、懐かしいナンバーを中心に構成、約3時間にわたって16曲を歌い上げた。

 この東京公演後、春のツアーは大阪、福岡、長崎、広島、京都と回り、6月27、28日に地元・札幌でファイナルを迎える。