数々のヒット曲を手掛けた名物音楽プロデューサーの山田廣作(やまだ・こうさく)さんが8日、都内の自宅で亡くなっているのを事務所スタッフが発見した。76歳だった。前日まで元気だったという。

 福岡県大牟田市出身の山田さんは歌手を夢見て上京。日本音楽著作権協会を経て、作曲家の浜口庫之助さんに師事。1973年に芸能事務所「エイビーシープロモーション」を設立し、音楽プロデューサーとして、ゴダイゴの「ガンダーラ」を皮切りに「モンキー・マジック」「ビューティフル・ネーム」を大ヒットさせた。

 親友の作詞・作曲家だった中山大三郎さんとのコンビで、島倉千代子さんの「人生いろいろ」、天童よしみの「珍島物語」、尾形大作の「無錫旅情」なども手掛け、ヒットメーカーとして、業界では有名だった。

 スキンヘッドと口ひげの風貌ながら、人懐っこい笑顔を絶やさず、多くの人から愛された。海外での人脈も広く、ダライ・ラマ14世の詩をアレンジした曲を、米国の伝説的フォークグループ「ピーター・ポール&マリー」のピーター・ヤーロウでリリースしたり、ケネディ家のチャリティーゴルフに毎年招待されたりしていた。

 本紙では2007年5月に芸能面で「業界スリーパーホールド!!」と題し、ヒット曲の裏側とともに芸能界への提言を連載した。葬儀は近親者のみで密葬で執り行われる予定。