人気漫才コンビ「ナイツ」(塙宣之=39、土屋伸之=38)が本紙のインタビューに答え、来年2月の「第27回東京スポーツ映画大賞」授賞式に「ぜひ呼んでください!」と、ビートたけし審査委員長(70)に猛アピールした。塙は「『僕と似ている』と言われる籠池(泰典・森友学園前理事長)さんの代理でもいいので」と意気込んだ。また塙が副会長、土屋が理事を務める漫才協会主催のコンテスト「漫才新人大賞」への思いも語った。
――漫才新人大賞の本選が近づいてきた
塙:ネタ時間10分というのは、寄席の漫才師を育てるという意味もありますね。テレビでそんなに長い時間、ネタをできる番組はありませんし。
土屋:長いネタをやれるのは、僕らがMCを務めさせてもらってるネタ番組「お笑い演芸館」(BS朝日)くらい。M-1グランプリの決勝は4分ですが、10分だとネタの作り方から完全に違うので。
塙:漫才師として一生ご飯食べるには、4分ネタだけではムリだから。
――でもナイツさんはM-1でも決勝進出
塙:ホントは両方できなきゃダメなんですけどね。漫才協会所属でM-1の決勝に行ったことがあるのは、僕らとU字工事だけ。でもU字工事は、決勝に行った後に引き抜いたんですけど。だからまた、イキのいい若手を漫才協会に引き抜こうかな? カミナリとかいいですね。
――最近は千鳥の大悟やトータルテンボスの大村朋宏など、M-1ファイナリストの不倫騒動が話題になった
塙:かわいそうとは思わない。むしろスキャンダルを漫才のネタにできてずるい。
――NON STYLEの井上裕介は当て逃げ事故で謹慎
塙:相方の石田君がネットのテレビで「井上が漫才に対する愛がなさすぎてヤバイ」と言ってた直後に起きた事故だったんで、石田君が一番喜んでるでしょ? 今になって井上君は漫才やりたいと言ってるし。
――M-1は出場資格が結成15年以内なので、もう出られない
塙:でも僕ら、賞レースにまだ出ますよ。今は歌ネタ王決定戦に向けてガンガンに仕上げてますから。
土屋:さっき決めただけですけどね。
塙:歌ネタ王は9月に決勝ですから。これが今日のトップニュースです!
土屋:M-1とTHE MANZAIで優勝できなかった分、歌ネタ王で優勝します!
塙:M-1に出られないだけで、参加資格のある賞レースには出ますよ。パソコン打つ事務員と社長という設定にして、「ヤホーで」と言いながら間違い続けるネタとかなら、キングオブコントにも出られるし。
――賞というと、東京スポーツ映画大賞でも芸人を表彰している
土屋:僕らも、エンターテインメント賞の日本芸能大賞に2年連続で選ばれてるんですよね。でも授賞式にはどっちにも行けなかった。
塙:来年の授賞式は2月? スケジュール空けるので、ぜひ行きたい。たけしさん、選んでくれないかな。もし選ばれなかったら、「似てる」と言われてる籠池さんの代理でどうですかね? 籠池さんは話題賞になっても、多分来ないでしょうから代わりに僕が行くということで。でも籠池さんの話題、来年の2月まで持たないかも。
土屋:塙さんが授賞式に「籠池です」って出て行ってもシーンとなるかもしれない。
――今はまだ“籠池ネタ”は受けるんですか
塙:今でも日によります。籠池さんって決定的なフレーズがないでしょ?「籠池です」ってあいさつしてウケても、その後に続くネタがない。
――2人にとって、たけしさんはやっぱり特別の存在
土屋:もちろん。特に僕らは浅草を中心に活動してるんで。
塙:特別というか、たけしさん以外からもらっても何も響かない。たけしさんが1位ですよ!
土屋:最初にお会いした時、「テレビじゃなくてこれからは舞台」と言ってくれたんです。
塙:ほとんどの人が「漫才よりテレビ」って言うのに、たけしさんは「漫才を続けるべき」と。その教えは守ってます。
――落語界では最近、泰葉さんのブログが話題ですが
塙:僕らも春風亭小朝師匠にお世話になってるんでねえ。福岡での会に呼ばれた時、普通は「打ち上げ行こうよ」ってなるけど、小朝師匠は一切なし。「出番終わったら帰っていいよ」って言われる…。ここまで相手にしてくれないのも一種のDVじゃないですか? それから僕、心がおかしくなってるので。
土屋:それが一番、怒られるよ。
【漫才新人大賞5・8本選】
5月8日に東京・国立演芸場で本選が行われる「漫才新人大賞」は、漫才協会が2002年から開催している漫才コンテスト。今年で16回目を迎え、過去の優勝者にはナイツをはじめハマカーン、ロケット団などが名を連ねている。一時は外部にも門戸を開いていたが、昨年から漫才協会所属のコンビのみに出場資格が与えられている。
今年は3月20日に予選会が行われ、本選に勝ち上がったのは、いち・もく・さん、ぼっけもん、ストロングスタイル、世界少年、けいいちけいじ、新宿カウボーイ、ニードル、ゴールドハンマーの8組。
漫才の賞レースといえば、M-1グランプリの決勝で実施されている4分程度が一般的だが、寄席で通用する漫才師を育成するとの目的を持つ漫才新人大賞は長いネタ時間が要求される。昨年の本選は7分だったが、今年から10分に変更された。