23日に腸閉塞のため亡くなった落語家の三遊亭円歌さん(享年85)の告別式が27日、東京・港区の青山葬儀所でしめやかに営まれ、林家こん平(74)、三遊亭円楽(67)、林家正蔵(54)、中尾彬(74)、徳光和夫(76)ら約300人が参列した。

 葬儀委員長で落語協会会長を務める柳亭市馬(55)は弔辞で「メガネをかけての高座や、女性を弟子に取るなど、当時はとても風当たりが強かったと思いますが、その信念を曲げず意志を貫き通し、今は何でもない当たり前のことにしてくださいました。その功績は大勢のお客様を笑わせた功績とともに、もっと評価されてしかるべきだと思います」と故人をしのんだ。

 また、最高顧問の鈴々舎馬風(77)は円歌さんを「兄貴」と呼び一緒に向島で遊んだときのことを振り返り「酒が入るとすぐ寝ちゃってね。こっちが寝ている横でカラオケをガンガン歌うんだけど、起きやしない。死んだフリがうまいんだよ。今日もそれであってほしかった」としみじみ語った。

 出棺時には出囃子で送られた円歌さん。市馬会長の「この世の高座を無事終えて、天国名人会に旅立ちます」の言葉に、参列者は拍手で円歌さんを見送った。

 6代目円楽を襲名したときのことを振り返った円楽。地方公演などあらゆる場所に、円歌さんが付き添ってくれたという。「『何かあったら俺が代わりにやるから』と言ってくれてね。帰りは飛行機で2人でベロンベロンに酔っぱらって、弟子に言わせると『羽田空港で2人で抱き合っていた』そうです。それくらいかわいがってもらった」。一緒に飲んでいると円歌さんから「よくなってるな。なんかあったらオレのとこにこい」と言われたという。「その言葉が安心させてくれた。本当にありがとうございますとしかいえない」と語った。