舟券的中への近道 ボートレースアカデミー

【勝負駆け】様々な“節目”になると選手が頻繁に口にするキーワード。絶対に負けられない「勝負」の場面で、目一杯に「駆ける」(走る)という意味だ。

 レーサーは日々、何らかの勝負駆けに迫られている。例えば、毎節の予選最終日には準優戦、さらに優勝戦に向けて「1着なら突破」などの条件が出る。そんなときに「○○選手は初の予選突破へ1着条件の勝負駆けだ」と表現するのだ。

 また、級別審査の締め切り(4月&10月末日)が迫った時期や、それぞれのSG戦の選考期間の間際は勝負駆けのタイミング。いつも以上に自分の勝率などが気になり、記者に「ボクの勝率はどれくらい?」「今のA1ボーダーは?」と逆取材する選手は多い。

 そのシリーズの成績以上に級別の勝負駆けに一喜一憂する選手もおり、舟券対策には欠かせない。1着条件の選手はイチかバチかの戦法に出る可能性が高く、アタマで買うか、外すかの二択…と推理することもできる。

 こんなエピソードもある。17年前期の勝率7・00を目標に掲げた原田篤志は昨年10月の審査期間の最終節で「優勝しに来た」と気合満々に臨み、なんと3コースからまくり差してV! 優勝しないと達成できない究極の勝負駆けを見事に成功させ、土壇場で着順点「11」を加え、ピッタリ勝率7・00。この有言実行ぶりには鳥肌が立った。果たして今月末に締め切りを迎える17年後期の勝負駆けでは、どんなドラマが生まれるか?

【ボートレーサー養成所】日本唯一のボートレーサー養成機関(福岡県柳川市)の名称が今年4月から「ボートレーサー養成所」と変更(旧名称は「やまと学校」)された。世間一般の学校との差別化を図り“プロボートレーサー養成”に特化した内容を明示するためだ。

 この養成所は数々のメディアに取り上げられており、泣く子も黙る過酷な訓練施設としても有名。午前6時の起床、午後10時の就寝時には点呼があり、男子47~57キロ、女子42~50キロの体重制限は厳守。この徹底した管理体制が敷かれた生活と、軍隊さながらのハードな訓練に耐えられず、毎年3~4割の訓練生が辞めていく。

 それでも平均年収1600万円のボートレーサーに憧れる人は多く、今年4月に入学した第122期の受験応募人数は1230人。倍率25倍という狭き門をくぐり抜けた精鋭は1年間の訓練を行って来年5月以降にデビューする。

 ちなみに受験資格は中学卒業の15歳以上30歳未満(特別枠を除く)、視力0・8以上(レーシック可)、身長175センチ以下。この基本条件をクリアした者が筆記試験、体力測定、面接などを受けて合否が決まる。

 なお、第122期から養成訓練にかかる費用が無償化。負担を軽減することでボートレーサー志願者の門戸を広げ、次世代のボートレースを担う人材確保を目指す。