“こじはる”ことAKB48第1期生の小嶋陽菜(29)が19日の卒業公演をもって、グループから卒業する。11年余りのアイドル人生に幕を閉じる小嶋と本紙は、卒業報道をめぐり、度々バトルを繰り広げてきたが“卒業祝い”にとっておきの秘話を大放出する。

 小嶋は29歳の誕生日を迎える19日、東京・秋葉原にある思い出のAKB48劇場での卒業公演を行う。

 2005年12月にAKBメンバーとしてアイドルデビューして11年余り。秋元康総合プロデューサー(58)に「天才」と言わしめた“エンターテイナー”として、グループを盛り上げる一方、ソロ活動も充実。モデル、タレントとして幅広く活躍し、女性ファンの憧れの存在にもなった。

 泰然自若なキャラクターの小嶋は、一見グループに興味がなさそうに見えながらもAKB愛にあふれ、最後まで優しさを見せていたという。

「小嶋がAKBメンバーとして、最後の歌番組出演となった3月31日の音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でのこと。小嶋は自らのプロデュース・演出で3曲披露した。この時に普段は選抜に入れず、歌番組に出る機会のないメンバーを『Mステという晴れの舞台に立たせよう』と、1週間ほど要望し続けて実現させた曲があった」(小嶋に近いファッション関係者)

 それは、3曲目に披露した、小嶋自身がセンターを務め、AKBとして参加した最後のシングル「シュートサイン」だ。AKB48グループ総勢118人という番組史上最多となる人数で歌唱し、グランドフィナーレにふさわしい圧巻のパフォーマンスとなった。

「番組サイドは出演人数に難色を示したが、小嶋は『大人数だと迫力があるから』『最後なので何とかお願いします』と何度もリクエストした。しかし、実はこれは表向きの理由。単に『番組に出られないメンバーを出したい』と番組サイドにお願いしても、実現は難しい。小嶋は曲の意味や魅力、どうしたら楽しんで見てもらえるかまで熟考し、番組サイドに伝えて出演を納得させた。小嶋の優しさがなければ、118人では出られなかった」(前同)

 普段は“メディア選抜”と呼ばれる人気メンバーしかMステに出演できず、出る機会に恵まれないメンバーもいた。大舞台を経験した若手メンバーの中には「自分で頑張ってまた歌番組に出たい!」と小嶋の意図を理解し、固く心に誓った者もいたという。

 さらに、小嶋は若手メンバーだけでなく、同期で、派生ユニット・ノースリーブスとしても一緒に活動していた元AKBの高橋みなみ(26)にも“闘魂”を注入しようとしていたという。

「小嶋はMステで“燃える闘魂”アントニオ猪木氏の出演を計画していた。でも、卒業する自分に闘魂ビンタで気合を入れてもらうためじゃない。小嶋は卒業した高橋がソロ活動に悩んでいることを知り、サプライズで高橋に闘魂ビンタを食らわせて『一緒に頑張るぞ!』と、親友として気合を入れ合う予定だったんです。しかし、猪木氏は出演OKを出したが、高橋のスケジュールが合わず実現しなかったのです」(前同)

 小嶋に花束を渡す役で出演する予定だった高橋は、闘魂ビンタで悩みも吹っ飛ぶはずだったが、小嶋の優しさは十分に伝わるエピソードだろう。

 ファンの中には「卒業したらAKB48のことを忘れてしまいそう」と心配する声もあるが、小嶋がグループ愛を忘れることはなさそうだ。