有名企業へのつなぎ融資などを名目に多額の資金を違法に集めたとして、出資法違反の疑いで熊本県警から逮捕状が出ていた山辺節子容疑者(62)が19日午前、不法滞在で逮捕されたタイから送還され羽田空港に到着した。同空港で国内線に乗り換えて熊本へ向かう。逮捕状はタイで搭乗した航空機の機中で執行された。

 山辺容疑者は、高利を約束して都内の男性らから違法に計7000万円近くを出資させた疑いが持たれている。著名な大企業につなぎ融資をしているともうたっていたことから「つなぎ融資の女王」とも呼ばれていた。ほかにも違法な出資を募っていた疑いがあり、総額は7億円にのぼるとも言われる。

 タイを出発する際はノースリーブ姿で、護送車の網越しで日本メディアの取材に対し、「(心境は)複雑」「警察の取り調べではっきり話す」などと語っていた山辺容疑者。機内ではジャケットを着用し、午前6時前ごろに羽田到着後はフードのついたパーカで顔などを覆い、うつむいてターミナルを歩いた。

 38歳と自称していた山辺容疑者は還暦を越えながら、松田聖子を思わせる髪形と若作りの衣装が話題となり、ワイドショーでは主役扱い。これまで「タイの恋人男性に貢いでいた」「ホストクラブで豪遊」「熊本の1億円豪邸」など派手な生活に焦点を当ててきた。この日もタイから移送される山辺容疑者に密着し「露出度の高い姿です」などと報じた。