俳優の江守徹(73)、角野卓造(68)、渡辺徹(55)らが12日、都内で行われた所属劇団「文学座」の創立80周年記念祝賀会に出席した。

 老舗劇団が今年“傘寿”を迎えた。同劇団を代表する存在で、ドラマや映画の名脇役で知られる角野は、顔が似ていることからネタにされている「ハリセンボン」近藤春菜(34)に感謝した。

 渡辺から近藤のことを指摘された角野は「近藤春菜じゃねぇよ」と自らギャグを飛ばす。「恩人です、彼女は。彼女が(角野卓造じゃねぇよと)連呼していただいたおかげで、日本中どこに行っても『かどのさん』と呼んでいただくようになった」。以前は「かくのさん」と声をかけられた時期もあったという。

 芸人に自身のそっくり芸をやられると、嫌がる俳優や女優は少なくないが、角野は当初から近藤のネタに好意的だった。

「今でこそ名バイプレーヤーと呼ばれるようになりましたが、角野さんは苦労人。自分がネタにされるということは世間にも認知されたということで、だから近藤には感謝しかなかったようだ」(関係者)

 角野は学習院大経済学部卒のインテリで、在学中は演劇部に所属。どうしても役者になりたいとの思いから同大演劇部と同時に別の劇団でも活動していたという。

 1970年に文学座研究所に入所。地道に演技を磨き、名物ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)でお茶の間にその名を売り、名脇役になっていった。

 近藤のギャグを嫌がらなかったため、広告業界側もそれをおもしろがり、現在はドコモCMに起用されて近藤と親子役を好演していることは周知の通り。これからもドラマや映画に欠かせない存在なのは間違いない。