現役引退を表明したバンクーバー五輪フィギュアスケート女子銀メダリストで元世界女王の浅田真央(26=中京大)をめぐるフジテレビVSテレビ朝日の争奪戦が激しさを増している。来年2月に行われる平昌五輪でフィギュアは最も視聴率を期待できる花形競技だけに、五輪キャスターとしての獲得を狙っているが、国民が待ち望む真央キャスターを勝ち取るのはどちらか――。その鍵を握るのは、姉で元フィギュア選手のタレント・舞(28)になりそうだ。

 舞は11日、神奈川・横浜市内で行われた舞台「SAMURAI ROCK ORCHESTRA AMAZING八犬伝」(28、29日・ディファ有明、以後各地で)の公開稽古後に取材に対応し、現在の心境を明かした。

「本当にお疲れさまでしたという言葉と、ありがとうという気持ちを伝えたい」と涙を流した舞だが、すぐに「真央は明るく晴れやかな気持ちで次に向かって歩きだしたので、私が涙を流しちゃいけない。今後も姉妹で助け合っていきたいと思います」と前を向いた。

 報道陣から「これから姉妹でやりたいことは?」と問われると「姉妹の時間を大切にしたい。実は姉妹でゆっくりお酒を飲んだことがないので、お酒を楽しみたい。あとはずっと寒いところにいたので、暖かいところに旅行に行ってみたいですね」と笑顔を見せた。

 今後については「私の方が2年早く生まれて、少しだけフィギュア以外のこともしているので、いろんな話をしながら姉妹の時間を大切にしていきたい。これからの人生の方が長いので、いろんなことに姉妹ともども挑戦して経験していきたいと思います」と、2人でさまざまな仕事に挑戦する覚悟も明かした。

 テレビ各局は平昌五輪のキャスターとして真央の獲得を狙っているが、争奪戦は一騎打ちの様相だ。

「フィギュア界は(国内外主要大会の)放映権を持っているフジ、テレ朝との関係が強く、真央とも太いパイプを築いている。真央は『選手の近くで五輪を見に行きたい』という希望を持っているし、両局とも真央キャスターを派遣したい意向がある」(テレビ局関係者)

 それぞれ、どんなプランを立てているのか? 

「フジは舞との姉妹タッグに加え、日本の男子フィギュアスケーター初のメダリストとなった高橋大輔とのコンビを考えている。テレ朝も舞との姉妹タッグと、五輪キャスターとして絶大な人気を誇る松岡修造との“黄金コンビ”を誕生させたいようですね」(同)

 激しい争奪戦を見据えてか、テレ朝は11日午後7時から「緊急スペシャル生放送『ありがとう!真央ちゃん』独占映像で振り返る完全保存版!」という特番を放送。負けじとフジも12日午後7時から「引退特別番組 浅田真央26歳の決断~今夜伝えたいこと~」を放送した。

 争奪戦は、ジュニア時代から真央に密着し、系列会社からDVDまで発売しているフジが一歩リードとの見方もあるが、別のテレビ局関係者は「姉の舞がカギを握ることになると思います」と指摘する。

「真央は天才肌の選手で、技術を分かりやすく説明するのが苦手。口下手でもあるし、キャスターとして解説することに不安を感じるはず。そこにキャスター経験もありバラエティー番組でもまれてきた舞がいれば、真央も心強いと思います。姉妹は仲がいいですし、舞のアドバイスは、決断に大きく関わると思いますよ」

 最近、バラエティー番組での露出が増えつつある舞は、テレ朝の人気バラエティー番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」で、かつては真央と確執があったことを明かしたこともある。

「姉思いの真央ですから、舞がお世話になっている局を選ぶ可能性も大いにある。今後、舞のバラエティー起用も増えていくのでは」(同)

 果たして真央キャスターを獲得するのは、フジかテレ朝か――。