神戸で珍しい土偶が発掘? その土偶の画像がネットで拡散し、波紋を呼んでいる。

 土偶の形がウルトラセブンのロボット怪獣「キングジョー」そっくりだということで、ネット上では「キングジョーが縄文時代に実在したんじゃないか?」と大騒ぎになった。

 オカルト評論家の山口敏太郎氏のもとには「キングジョーそっくりの土偶が出土したということは、キングジョーが実在したということですよ」と興奮気味の連絡が相次いだという。

 発信源は、神戸市灘区のことだけをツイートする「naddist」のツイッターで「神戸市内で襟具状土偶が出土したらしい」として2月に画像がアップされた。その土偶は、確かにウルトラセブン第14、15話「ウルトラ警備隊西へ」の前後編に出てくるペダン星人のスーパーロボット「キングジョー」にそっくりだ。

 多くの問い合わせを受けた山口氏は「ウルトラ世代にとっては忘れられない存在ですね。当初、キングジョーそっくりの土偶が出た。しかも、キングジョーが暴れた神戸で出土されたという話が僕のツイッターに寄せられて、かなり興奮しました」と語る。

 しかし、冷静に土偶の名前を読むと、興奮が冷めてしまったという。

「名前が襟具状土偶…あれっ? 読み方が『きんぐじょう』。そこでわかりました。現代人のアート作品だったのですね。市民団体『灘百選の会』などが中心となって、現在、キングジョーが沈んだ場所の特定が行われ、神戸での“キングジョーまちおこし”が始まるらしい。我々、ウルトラ世代にとってはうれしい限りです」と山口氏。

 神戸市灘区役所まちづくり課によると「キングジョーの土偶は、先月上旬まで神戸アートビレッジセンターで開催されていた展覧会で展示されていた、美術作家の伊達伸明さんの作品です」。

 今年、ドイツの芸術家の美術作品の画像がネットで拡散していくうちに、見た人が書き込んだコメントがどんどん付け加えられ、英国で「オーストリアの遺跡発掘現場から800年前の携帯電話が発掘された」と大ニュースになった。

 かつての口裂け女などの都市伝説は口伝だったが、現代はネットでの“伝言ゲーム”がオカルトを生み出していく。