人気アイドルグループ「HKT48」が1日、さいたまスーパーアリーナで「HKT48 春の関東ツアー2017~本気のアイドルを見せてやる~」を開催。昼公演で、2012年11月にAKB48から完全移籍した多田愛佳(22)の卒業セレモニーが行われた。

 多田は12歳だった07年に渡辺麻友(23)、柏木由紀(25)らとAKB3期生として加入。妹キャラとして人気だったが、移籍後はチームKIVのキャプテンを務めた。

 4期生の指原莉乃(24)は後輩ながら、AKB時代から多田を溺愛。何度もファンに「今日は泣かずにらぶたん(多田の愛称)を見送るよ!」と呼びかけていたが、リハーサルの段階から、多田と目が合うと感情を抑えられなくなっていたようだ。「らぶたんと目が合うだけで、泣いちゃう。やめてよ!」

 面白がるように目を合わせようとする多田はニヤリとしながら「今日は笑顔で見送ってほしいと思います!」と、改めてメンバーとファンに向けてお願い。それでも、2人だけで「思い出のほとんど」を歌うシーンでは互いに涙が止まらない。歌いだしで指原は、多田の方を見ないようにしていたが、向かい合うと大粒の涙を流した。

 手を当てながら多田が「泣かないで」とほほ笑むと、指原は「らぶたん、ありがとう…」と号泣。多田の目からも涙があふれ、優しく抱き合った。

 卒業セレモニーで、ステージに1人で登場した多田は「大好きな出身地の埼玉で、卒業セレモニーを開いていただいて幸せ者です。今日はエープリルフールですが、私はウソをつかずに本当に卒業します」と宣言。「え~!」という別れを惜しむ観客の声を聞くと「胸に手を当ててみてください。私はいつでもそばにいますよ」とちゃめっ気たっぷりの笑顔を見せた。

 夢である女優を目指すため卒業を決断した多田は、10日に行われる劇場公演をもってグループから離れる。「4月10日に卒業して、2年間が勝負だと思っています。アイドルの私よりも、もっと精一杯、死ぬほど頑張りたいと思います。アイドルの多田愛佳の方が女優としての私より好きな方もいると思います。いなくなってしまうかもしれないけど、2年の間にその人たちを取り戻したいと思います」と力を込めると、ファンから温かい大きな拍手が起こった。

 本編のラスト曲はメンバーが多田に内緒でリハを重ねてきた「今 君を想う」。メンバーは涙を流しながら、多田に寄り添って歌った。多田が「こうして歌えなくなるのが寂しいけど、これからも私のフェイバリットソングとして歌っていきたい。10年間ありがとう」と言うと、指原は「あいちゃん、HKTに移籍してきてくれてありがとう!」と叫んだ。

 最後に多田は「今まで自分は背中で見せるよりも、背中を押してあげるようなキャプテンでした。でも『卒業したら、こういう道もあるよ』って道しるべになれる人になりたい」と決意。「女優としての夢は…絶対にかなわないかもしれないけど」と、ひと呼吸置いて「(夢は)賞を取ることです。それを最終目標にして、お芝居を上達させていきたいと思います」と続けた。

 また、アンコールでは多田の口からチームKIVの後任キャプテンも発表され「前から決めていて、半年間そばで見てきました。碧唯にしたいと思います」と本村碧唯(19)を指名。最初は「ムリムリムリ…」と言っていた本村だが、多田から「私が言ってるんだからできる!」と言われ、指原からも「みんなを支えられるキャプテンになってください」と背中を押されると「頑張ります! よろしくお願いします!」と大きな声で快諾した。