涙の謝罪 ノンスタ井上に必要な「やすきよ化」

2017年03月08日 16時30分

涙を流しながら謝罪した井上裕介

 ノンスタが、あの“やす・きよ”に化けるか? 昨年12月に都内で交通事故を起こし、現場から逃走したとして謹慎していた人気お笑いコンビ「NON STYLE」の井上裕介(37)が7日、都内で涙の謝罪会見を行った。復帰に慎重姿勢を見せた井上だが、以前と同じキャラでの活躍は難しそうだ。本紙客員編集長のビートたけし(70)は「パターンを変えるチャンス」と指摘。関係者は「事務所の偉大な先輩、横山やすし・西川きよしを目指せ!」という。

 

 134人の報道陣の前に黒いスーツに身を包んで現れた井上は、無数のフラッシュを浴び「ファンの方々や仕事関係の方々に多大な迷惑とご心配をおかけして、誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。その後、1分間深々と頭を下げ続け「完全に僕が悪い。100%僕が悪い」と涙を流しながら声を振り絞った。

 

 昨年12月11日午後11時45分ごろ、東京・世田谷の都道でタクシーと衝突して運転手にケガを負わせ、警察への通報や救護措置を取らずに現場から逃走した井上。事故発覚後、「現場から離れたのは事実」として謹慎していた。事故後、運転手に面会して直接謝罪。運転手も謝罪を受け入れたことから民事上は両者の間で示談が成立していた。

 

 一方、刑事上は2月に道路交通法違反(ひき逃げ)と自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検されたが、6日に東京地検が不起訴処分としたことで、この日の謝罪会見がセッティングされた。

 

 事故について、井上は「少し違和感はありました。でも、音は聞こえなかったと思います」と、衝突した認識はなかったと説明。しかし帰宅後に車についた傷を見つけて「大きなことをしてしまった。どうしたらいいのかと動揺してしまい、人に相談することまで頭が回らなかった」と、当時の心境を明かした。

 

「謹慎中は一歩も外に出ず、バラエティー番組すら見ることもできなかった」ほど憔悴していた井上。しかし、事故直後に相方の石田明(37)が行った会見は見たという。

 

「石田くんにはたくさん迷惑をかけて、解散してくれと言われても仕方がないと思いました。でも、石田くんが『井上の人生も俺の一部だ』と言ってくれて、本当に申し訳ないことをしてしまった」と、大粒の涙をこぼした。謝罪会見の前には連絡を取り「しっかり謝罪してこい!」と石田から声をかけられたという。

 

 これまでのノンスタは、ネタを作るボケの石田よりツッコミの井上がグイグイ前に出るパターンだった。だが、今回の騒動で2人のパワーバランスが崩れた。お笑い関係者は「騒動の負い目もあって、井上は今までのようにはやりづらいはず。2人のパワーバランスが変わることで、今までと芸風が変わるのでは」とみている。

 

 こんな状況を予見していたのは本紙客員編集長のビートたけしだ。井上が事故を起こした直後に「NON STYLEの漫才はうまいからウケるけど、毎回パターンが同じ。今回の騒動はいい方に考えたら、パターンを変えるチャンスかもしれない」と指摘していた。

 

 ノンスタはこの“チャンス”をどう生かせばいいのか? 前出のお笑い関係者は、かつて一世を風靡した漫才コンビ「横山やすし・西川きよし」と“同じ道”を歩めるかにかかっているとみる。

 

「当初はやすしさんが圧倒的なパワーでコンビをけん引していた。それが、やすしさんがタクシー運転手に対する傷害事件などの影響で長期謹慎したことで、コンビのパワーバランスに変化が起き、新たな芸風を作り上げて、大御所漫才コンビに駆け上がった。事務所の大先輩の“前例”ですからね」と期待している。

 

 井上は、復帰について「迷惑をおかけした方々に直接謝罪してから考えたい」と慎重な姿勢を見せ、今後の芸風に関しても「まだ考えが及ばない。石田くんといろいろ考えていけたらなと思います」と話すにとどめた。

 

 だが、関係者から「民事でも刑事も処分は出たのだから、もう謹慎は十分でしょう」と復帰にGOサインが出ている。

 

 謝罪会見で大粒の涙を流し、区切りをつけた井上が、偉大な先輩“やす・きよ”を目指して、新生ノンスタとしての道を歩き出せるか注目だ。