NHK「報道番組キャスター痴漢逮捕」を隠蔽 ひっそり降板の不可解

2017年03月08日 11時00分

職員の逮捕を一切、報道しなかったNHK

 NHKの報道番組キャスターXが昨秋、女性に痴漢行為をはたらいたとして東京都の迷惑防止条例違反容疑で逮捕されていたことが6日、本紙の取材でわかった。Xは一貫して容疑を否認し不起訴となったが、問題は同局の対応だ。逮捕翌日からXは番組から姿を消して、そのまま降板となったが、この事案をいっさい報道せず、当然のようにXの降板について視聴者にも何の説明もしなかった。国民から受信料を徴収する報道機関として、この隠蔽は許されるのか。NHKが激震に揺れている――。

 イケメンで難関大出身、NHKの期待のホープと目されていたXが不自然に番組から姿を消して、半年近くが経過した。視聴者には何も知らされず、代役のキャスターが立てられたことで、ファンからは戸惑いの声も出ていたが、ようやくその“真相”が明らかとなった。

「Xは昨年秋、NHK近くの量販店付近で女性の体を触ったとして、都の迷惑防止条例で逮捕。逮捕翌日には送検された。それから2週間ほど後に不起訴処分となって、起訴はされなかった」と明かすのは捜査関係者。

 簡単な言葉で言えば、痴漢行為で逮捕されたというのだが、「Xは一貫して容疑を否認、冤罪を主張していた。不起訴になったのも証拠不十分だったから。Xは逮捕されたがすぐに釈放となったようだ。ただ、これまでエリートコースを歩んできたXには、思わぬ嫌疑をかけられたことで、人生で初とも言える屈辱を味わったのだろう。この一件はかなり精神的な負担となり、疲弊してしまった」と前出関係者だ。

 Xが出演していた報道番組は代役を立てて放送された。しばらくXの名前は番組ホームページ上に残っていたが、今は消えて降板となった。

 この一件で疑問が残るのは、NHKの対応だ。Xは冤罪を主張しており、結果的に不起訴となったとはいえ、逮捕された事実を報道しなかったことに果たして妥当性があるのか、ということだ。Xは国民から受信料を徴収して成り立っている公共放送・NHKの職員であり、しかも一般職員とは違って報道番組のキャスターとして顔と名前を出している。最近は森友学園への国有地払い下げ問題に関して、安倍晋三首相の昭恵夫人が「公人」か「私人」かで問題となっているが、Xも同様のことを問われかねない立場であることは間違いない。マジメに受信料を払っている国民よりも社会的影響力を行使できる立場にあるからだ。

 確かに逮捕容疑となった迷惑防止条例違反の内容自体は、軽微ともいえる。しかも不起訴となった。だが、NHKを含めて多くの報道機関が「逮捕」という時点で、数え切れないほど多くの事件を報道しており、無罪を主張したからといって、Xの社会的影響力の大きさを鑑みると、報道を回避できるとは思えない。

 Xは逮捕翌日から番組に出演していないが、逮捕に関して報道どころか説明すらないのだから、これでは“隠蔽”と言われても仕方がないだろう。

 広告収入がメーンの民放テレビ局とは異なり、NHKは国民から集めた受信料で成り立っている。職員にまつわる事件、事案は、よほどプライベートなものでない限りはニュースの一つだろう。Xの件も逮捕された時点で、報道されてしかるべきと考える人も多いだろう。

 近年は受信料の取り立て方に対する反発も強まっているが、自らに甘くという姿勢では、到底国民の理解は得られない。