AKB48グループに所属する総勢47人のメンバーが6日、東北3県で復興支援ライブを行った。

 AKB48グループは2011年3月の震災発生直後、「誰かのために」プロジェクトを発足。義援金の寄付や通園・通学の送迎用車輌などを寄贈したほか、同年5月の岩手・大槌町、山田町を皮切りに今回を含め計63回、被災地を訪れ、無料ライブや握手会などを行ってきた。

 メンバーはAKBの代表曲「ヘビーローテーション」「365日の紙飛行機」や、復興応援ソング「掌が語ること」などをパフォーマンスした。

 宮城・山元町の沿岸部、震災犠牲者を慰霊する「千年塔」で献花後、同町の山下第2小学校での支援ライブに参加したNMB48・山本彩(23)は「皆さんが“笑顔でいてくださる”“元気でいてくださる”ということがこの活動をする中で、一番大切なことだと思っています」と振り返った。

 支援活動がニュースとして伝えられた当初、ネット上で「偽善」「売名」などと中傷され、メンバーは悩みながらも活動を続けてきた。山本は「活動を始めたころはもしかしたら『一方通行なのかな?』と感じたこともありましたが、続けていくことで私たちの思いも少しずつ伝わっていると思いましたし、来ていただいた皆さんから『毎年来てくれてありがとう』と声をかけていただいて、活動を続けることに意味があるんだ、と思いました」と決意を新たにした。

 福島・広野町の中央体育館でのライブには、都道府県代表47人で結成されたAKBチーム8の福島代表で、広野町出身の舞木香純(19)が参加。「ここに来るまでの街並みは、あの日以来変わったところもあれば、まだ復興が進んでいないところもあった。でも、今後も子供たちや福島が前を向いていけるように応援していきたいですし、見に来てくださる方がいる限り、訪問活動を続けていきたいと思います」

 11年当時被災し、避難生活を送っていた舞木は、被災地で支援活動をするAKBの姿を見て、オーディションを受けた。「私は震災以来、海に行くのが怖いという思いがあったのですが、今日、献花のために海に行ったらやっぱりきれいだなってすごく思いました。まだ立ち直ったとまでは言い切れませんが、いつまでもくよくよもしていられないというのも正直な気持ち。家族や友達などいろんな知り合いが見に来てくれて、こうやってAKB48の一員としてパフォーマンスを見てもらえて、うれしかったです」と振り返った。

 また、岩手・岩泉町の小本小学校のステージに立ったのは、同じくAKBチーム8の岩手代表・佐藤七海(17)。自宅が津波の被害に遭い、避難生活を送った経験を持ち「私は初めて岩本町に来ましたが、初めて来た岩本町だからこそ『いつもよりも、もっと素晴らしいステージをお見せしたい』と思いました。被災地訪問をさせていただく機会は何度かありましたが、いつも以上に私たちの方が元気をいただいた気がします。皆さんの笑顔を見て、私も笑顔になりましたし、そのことに感動しました」と話した。