任天堂が2月下旬、公道カートのレンタル会社「マリカー」(東京)が「マリオ」などのキャラクターの衣装を貸し出した上で、その画像を許可なく宣伝や営業に利用し、著作権などを侵害しているとして、侵害行為の中止と1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 マリカーは「ディズニー」のキャラクターも使用している。ディズニーは著作権に厳しいだけに、騒動は拡大しそうだが、マリカーを巡っては近隣住民や一般ドライバーからも苦情が出ている。

 マリカーは近年、外国人観光客に人気のアトラクションになっている。遊園地のゴーカートのような車両を公道で走行し、定番のツーリングルートになっているお台場では、住民から苦情が相次いでいる。

「お台場を走る公道カートの増加とともに、住民からのクレームも増えている。『外国人の運転マナーが悪い』といったドライバーからの苦情がメーンですが、『ツーリングに帯同している業者の人間は、ガイド資格を持っているのか』などの質問もある。自身の生活エリア内で外国人観光客がはしゃいでいることを『目障り』と感じている人もいるのでしょう」(警察関係者)

 マリカーそのものの危険性を指摘する声もある。「運転している車の前方で車線変更したカートがいたが、カートの車高が極端に低く、運転席から見えなくて、あわや接触事故という事態だった」と同関係者。

 利用客は外国人観光客中心のため、日本の公道を“アミューズメント施設”と勘違いし、ゲーム感覚で運転して危険極まりないという。

「マリカーは5~10台ほどの隊列を組んで走行している。その隊列が切れないように、横断途中で赤になっても信号無視したり、逆に青なのに停車したりするので非常に迷惑。ゲームのマリオカート気分で蛇行運転する利用者も多い。写メを取りながら運転したり、走行中に通行人にノリノリで手を振る外国人が多く、危険。いつか大事故になると心配している」と同関係者は指摘する。