【第26回東京スポーツ映画大賞授賞式(26日)】「怒り」で東京スポーツ映画大賞の助演男優賞を獲得した俳優・綾野剛(35)が、意外な素顔をのぞかせた。授賞式終了直後になんとバナナをモグモグとほおばり、プロ野球選手のように体づくりを徹底。取材中にはクールな印象とは裏腹に「エヘヘ」と笑ったり、本紙記者に自ら握手とハグをしたりするなど、愛嬌たっぷりな一面を披露した。

 綾野は壇上で「いろんな意味で本当の賞をいただいた気がします」と、たけし審査委員長や審査員に感謝した。

 もう1人の助演男優賞である菅田将暉(24)には「弟みたいに思っている菅田将暉君とダブルで受賞できていることが非常にうれしい」とニッコリ。「次は菅田君と一緒にダブル主演をやって、たけしさん、審査員の皆さんに選んでいただきたい」と意気込みを語った。

 意外な一面を見せたのは授賞式終了直後。控室に戻ると、すぐさまバナナをモグモグとほおばり始めたのだ。

「すみません」と断りつつ「とても温かくて、こんなに笑った授賞式は初めて。本来の東スポさんの姿勢とは全然違うと思いますけど…」と授賞式を振り返った。

 菅田とは、自身が主演を務めた2014年の映画「そこのみにて光輝く」で共演して以来の仲という。

「先輩後輩の関係性じゃなく兄弟のように、友人のように。今の彼が出ている作品は、ほとんど見ています。彼から相談を受けたらいつでも(アドバイスを)返せるように作品を見ておこうと思える大切な役者の友人の一人」

 今後演じてみたい役柄には「どんな役を演じてほしいとかありますか?」と逆質問。これまではダークな役柄の印象が強いと言うと「なんで!?」と天を仰ぎ、「『コウノドリ』はやさしい役でしたよね」と15年のTBS系主演ドラマを引き合いに出して苦笑い。「いろんな世代の方に届く言葉を持った映画が撮れたらいいですよね。たけしさんの作品にも出させていただきたいです」と北野作品への出演も希望した。

 その上で「ウソなしに次は主演男優賞で評価していただいて、東京スポーツ映画大賞に戻ってきたいと本当に思っています。また一つ目標が増えました」と東スポ映画大賞への“凱旋”を狙う。

 バナナを口にした理由は、次作への役作りの一環だった。

「パーソナルトレーナーがいるんです」と語り、「この後、ジムに行くので。糖質、インスリンを(体に)入れておかないと(ジムの器具を)持ち上げられなくなるんです。無理して食べないといけなくて」。

 トレーナーに時間指定で摂取するモノを助言されているようだ。まるで、春季キャンプで練習の合間におにぎりをほおばって体重増を図るプロ野球選手のようだが、バナナの理由は、4月期の連続ドラマ「フランケンシュタインの恋」(日本テレビ系)で主演を務めるための体づくりという。

「脱がなきゃいけないシーンがあります。それなりの魅力的な体がいいなと。エヘヘ」とあえて「エヘヘ」と笑い、ちゃめっ気を見せた。直後に真剣な表情になって「やっぱりワンシーンが大事なんです」とたったワンシーンのために体づくりしていることを明かした。

 取材が終わると「ありがとうございました!」と自ら右手を差し出して握手、さらにハグまでしてきた。

 授賞式会場を後にするため関係者が運転する車に乗り込もうとする直前には、再び「ありがとうございました!」と右手を出し握手。クールでストイックなイメージの裏に、愛嬌のある素顔が隠れているようだ。