「第17回ビートたけしのエンターテインメント賞」(ビートたけし審査委員長=70)授賞式が26日、東京・港区のグランドプリンスホテル高輪で盛大に行われ、「カムバック&激励賞」のダブル受賞に輝いたタレントのベッキー(32)は、北海道文化放送(UHB)の情報番組「北海道からはじ○(マル)TV」の生放送を終えて、大急ぎで会場入りした。

 たけし審査委員長から「反省したし、みんなの前であいさつしたら終わり」と不倫騒動に終止符を打ってもらい、「ありがとうございます」と深々と頭を下げた。昨年1月の不倫騒動から1年。文字通り芸能界にカムバックしたことを印象づけた。

 北海道で生放送を終え、その足で航空機に乗り込み、東京に戻るという強行軍。天候次第では授賞式に間に合わない可能性もあった。だが、やはりこの人気タレントは“持っていた”。スムーズな移動で開演時間内に会場入り。青を基調にしたドレス、シースルーのスカートから伸びた美脚で壇上に上がると、会場の視線を一気に集めた。そして、賞状を受け取ると、たけしとのこんな意外なエピソードを明かした。

「以前、番組の収録で控室にいたら、たけしさんがトントンとノックしてきたんですよ。で、『サインもらえる?』と色紙を持ってきたんです。もうビックリしました」

 これにはたけしも思い出したように苦笑いだ。「孫に(サインを)頼まれてさ。『おじいちゃん、ベッキーって知ってる?』って言うから『知ってるよ』と。『口きいたことある?』『あるよ』と。『じゃあ、サインもらってきて』だって。それで『おじいちゃん、偉いんだ~』と言われて、まいっちゃったよ」

 もちろん、それが理由ではないだろうが、不倫騒動のときから、ベッキーばかり叩かれていたことを不公平に感じていたという。選考の際も「(ベッキーから)オフィス北野に年賀状が届いていたらしいな。『温かい言葉にとても励まされました』とかって。オレが東スポで(相手の)男は叩かれないんだみたいなことを言って、その記事を読んだんだって」という語っていたが、この日も人前に出てきたベッキーに賛辞を惜しまなかった。

「ベッキーは正直でいいよ。好きになったんだからしょうがないと思っている。まあ、法律に触れることをしたわけじゃないんだしさ。それに比べてバンドの男ときたら…」と表に出てこない不倫相手をチクリと刺した上で「ベッキーは反省して、みんなの前であいさつしたんだから、全て終わり! あとは仕事をするだけ。ひと区切りと思ってもらえればいい」と、たけし自ら不倫騒動に終止符を打ったのだ。

 ベッキーも「こんなポジティブな賞をいただける人間ではないのにありがたい」と感謝しきり。だが、そこは人気タレントとして地位を築いてきただけに、東スポにこうクギを刺すのを忘れなかった。

「昨年、東スポさんはあることないこと、ないこと、ないこと…ばっかり記事にしていただいて、しかもかわいくない写真を載せていたんですよ。それが、昨年末ぐらいから急に持ち上げる記事になって写真も良くなったんです。そしたら授賞式のオファーが来た。わかりやすいなあ~と(笑い)」

 これには会場も爆笑の渦。それでもベッキーは謙虚さを忘れず「でも、うれしいです。褒められたというより、お尻を叩かれたと思ってこれからも頑張りたいと思います」と頭を下げた。

 たけしのエールとともに存在感を示したベッキー。この授賞式で完全復活した。

※受賞者は以下の通り
◇男気賞=黒田博樹
◇特別賞=稀勢の里
◇話題賞=ピコ太郎、RADIO FISH、平野ノラ
◇激励賞=柴田英嗣、狩野英孝
◇努力賞=三遊亭円楽
◇カムバック&激励賞=ベッキー
◇日本芸能大賞=桂文珍
◇日本芸能特別賞=林家正蔵
◇日本芸能賞=ハリウッドザコシショウ、ライス、銀シャリ