アイドルグループ「少女隊」が26日、プロボクシングWBOミニマム級暫定王座決定戦(熊本・上天草市松島総合センター)で、試合前とメーンイベント前の計2回、ミニライブを行う“快挙”を成し遂げた。計6曲、合わせて30分のステージをこなして試合を盛り上げた。

 そのおかげか、同級2位の福原辰弥(27=本田フィットネス)が、同級1位のモイセス・カジェロス(メキシコ)を2―1の判定で下し、暫定王者の座に就いた。福原は昨春の熊本地震で被災。車中泊生活を経験しながらも、故郷に錦を飾ることを夢見てひたすら練習に打ち込んできたという。

 実は少女隊の西野早耶(17)も熊本で避難所暮らしをした経験を持つ。千葉育ちだが、生まれは祖父母の家がある熊本県。昨年の地震の際は帰省中だったため、いとこらとともに被災し避難所暮らしを強いられた。そのため、熊本を元気づけたいという一心から、ボクシングとアイドルの異色のコラボが実現した。

 西野は「初めての生観戦で迫力に驚いたし、会場の熱気に圧倒された。そして皆様の声援や拍手がとてもうれしかった」とコメント。「不便な避難所生活を通して、普段の生活がどれだけ幸せなのか実感したので、これからも熊本の皆様と手を取り合い、アイドルとしてたくさんの方々に笑顔や元気を届けていきたい」と抱負を述べた。

 少女隊は1980年代に活躍した伝説のアイドルグループの名を受け継ぎ、2015年に結成された。今月3日に新メンバーを加えて再スタートを切ったばかり。世界を股に活躍することを夢見て、積極的に海外展開を図っている。